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IMFの最新見通し。米国の鈍化で世界経済に低成長の懸念、カギは投資の増大

 

 世界経済における低成長の懸念が高まっている。IMF(国際通貨基金)は2016年の世界経済の成長率見通しを3.1%とし、7月の見通しを据え置いた。これまで成長の牽引役だった米国の成長が鈍化しており、世界経済を引っ張る主役がいなくなりつつある。

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 IMFでは毎年4月と10月に世界経済の見通しを発表している。7月と1月に見通しの改定値を出しているが、7月時点では、英国のEU(欧州連合)離脱の影響は十分に考慮されていなかった。今回の見通しでは、7月時点の見通しから、どの程度、変化するのかが注目されていた。

 世界経済の成長率見通しは物価変動の影響を除いた実質でプラス3.1%と、7月の見通しを据え置いた。最大の要因は世界経済の牽引役であった米国の見通しが引き下げられたこと。7月の見通しではプラス2.2%だったが、0.6ポイント引き下げられ、プラス1.6%になった。大統領選挙への不安から投資が抑制されていることが主な理由。

 一方、新興国は最悪の状態からは脱しつつある。ロシアはまだマイナス成長だが0.4ポイント引き上げとなり、中国は6.6%成長が据え置かれた。インドは0.2ポイント上昇でプラス7.6%となっている。ただ新興国はあくまで最悪期を脱したというだけであり、低成長が続いていることに変わりはない。

 米国しか好調な経済圏がなかったことを考えると、米国の鈍化は、そのまま世界経済全体の鈍化につながってしまう。
 EU離脱に揺れる英国は2016年の見通しは0.1ポイント上昇してプラス1.8%だったが、2017年については0.2ポイントの引き下げでプラス1.1%にとどまった。大きなマイナスではないが、あくまで楽観シナリオに基づくものなので、EUと英国の交渉次第では下振れがあり得るだろう。

 欧州全体は0.1ポイント引き上げられてプラス1.7%となった。フランスは0.2ポイントの引き下げだが、スペインが0.5ポイントの引き上げでプラス3.1%となり、思いのほか貢献した。日本は消費増税の延期や経済対策からプラス0.5%となった。

 このところ世界経済は米国の先行きに依存する状況が続いている。今回の成長鈍化が大統領選を前にした一時的なものなのか、中長期にわたるものなのかで、今後の世界経済の動向も大きく変わってくるだろう。

 IMFでは特に投資の減速を懸念している。投資は、資本財などの調達などによって国際貿易を活発化する役割があり、投資の減速は全世界的な成長鈍化をもたらす可能性がある。
 その意味でも、12月の利上げの有無は、世界経済の大きな転換点となる可能性が出てきたといえそうだ。場合によっては緩和的スタンスを継続することで投資を喚起するという選択肢もあり得るかもしれない。また大統領選終了後は、大規模なインフラ投資の有無が市場の関心事となっていくだろう。

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