ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

厚労省が踏み込んだ内容のたばこ白書を公表。分煙を否定し、屋内全面禁煙を提言

 

 厚生労働省が、屋内の100%禁煙化を目指すべきという踏み込んだ内容の「たばこ白書」を公表したことで、遅れが目立っていた日本のたばこ対策に進展する兆しが見え始めた。

bunen

 厚生労働省の有識者検討会は8月、喫煙の健康影響に関する報告書(たばこ白書)を取りまとめた。報告書によると、世界保健機関(WHO)の評価基準では、日本は、受動喫煙防止対策、脱たばこ・メディアキャンペーン、たばこの広告・販売・後援の禁止の項目において最低レベルになっているという。

 同じくWHOは、公共的な8つの場所(医療施設、大学以外の教育施設、大学、官公庁、一般の職場、食事を主とするレストラン、飲物を主とするカフェ・パブ・バー・居酒屋、公共交通機関)における全面禁煙措置の実施状況についても調査を行っている。日本はすべての施設で全面禁煙が行われておらず、高所得国のカテゴリーでは最低評価だった。

 日本では受動喫煙について、主に吸う人の権利という視点で議論が行われていた。つまり受動喫煙はある程度は避けられないものであり「受忍限度」とされていたのである。
 白書では司法における受動喫煙に対する認識の変化についても言及している。このところ受動喫煙の危険性を指摘する判決が相次いでおり、受動喫煙は危険な行為であるとのコンセンサスが得られるようになってきた。他人に対して危害を加える可能性のある行為ということであれば、本人の権利に関係なく、その行為が禁止されるのは当然の結果ということになるだろう。

 白書ではこうした考え方に沿って、分煙は推奨されるべきではないとしている。日本では喫煙室を設置することで対処するというケースが多くなっているが、喫煙室では、たばこ煙の漏れを完全に防止できず、喫煙室の清掃などに従事する従業員の受動喫煙問題を解決できないと指摘している。白書は、喫煙室を設置するという考え方をあらため、日本でも屋内100%禁煙化を目指すべきと結論付けた。

 屋内の全面禁煙に関する法律を施行した国では、喫煙関連疾患による入院リスクが大幅に低くなるという結果が得られている。つまり、公共の場での喫煙を禁止することで、国民の健康レベルが上がり、国民医療費を引き下げることが可能となる。

 白書の内容は極めて合理的であり、実施した場合の効果も高い。白書の内容に沿って全面禁煙を進めるのが妥当な選択だろう。

 - 政治, 社会 , ,

  関連記事

euhonbu
紛糾するEU予算交渉。日本の自民党政権下におけるバラ撒きとタカリ構造そのもの

 EUが策定する2014年から2020年までの7年間の長期予算について紛糾してお …

abe201405
集団的自衛権見直しの報告書提出へ。ただ公明への配慮から閣議決定時期は流動的

 集団的自衛権の行使に関する憲法解釈見直しを議論している安倍首相の私的懇談会は、 …

kennedy05
ケネディ次期駐日大使の議会公聴会は、まるでセレブの記者会見?

 ケネディ大統領の長女で、次期駐日大使に指名されているキャロライン・ケネディ氏は …

no image
パネッタ米国防長官が来日。主要な議題はオスプレイではない

 米国のパネッタ国防長官が来日している。各メディアは、新型輸送機オスプレイの普天 …

narogo01
羅老号が再度打ち上げ中止。日本に40年遅れる韓国の技術でロケット打ち上げは無理?

 トラブルが相次ぎ打ち上げが延期となっていた韓国初の人工衛星搭載ロケット「羅老( …

ur
URの杜撰な事業が浮き彫りにする、官に依存した日本経済の麻薬中毒的体質

 「日本経済の復活」「大胆な規制緩和」といった安倍政権の輝かしいキャッチフレーズ …

influ
米国でインフルエンザ大流行。米マスコミの感染予防報道には学ぶべき点が多い

 米国でインフルエンザが大流行している。全米の30近くの州で例年をはるかに上回る …

geitsu
ゲーツ元国防長官のオバマ大統領批判から、文民統制の本当の意味を考える

 米国のゲーツ元国防長官が近く発売される回顧録の中で、アフガン戦争をめぐるオバマ …

nenkinportfo
公的年金の新ポートフォリオ、年間最大損失21兆円をどう見る?

 公的年金の運用が国債から株式にシフトしつつあるが、現在想定されているポートフォ …

puting20
原油価格の低迷が促す、地政学的バランスの変化

 原油価格の大幅な下落で、ロシアやベネズエラといった反米的なスタンスだった産油国 …