ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

選挙まで10日というタイミングで突然FBIがクリントン候補への捜査再開という不可解

 

 クリントン候補優勢の状態で投票日を迎えると思われていた米大統領選挙の行方が不透明になっている。投票日までわずか10日というタイミングでFBI(米連邦捜査局)がクリントン氏への捜査を再開すると議会に通知したからである。

kurinton

 最新の世論調査では、クリントン候補が数ポイントの差を付けてトランプ候補をリードしていた。トランプ氏はテレビ討論会では目立った実績を残せず、女性蔑視発言など失点が続いたが、思いのほか失速せず、支持率はむしろ上昇傾向となっている。だがクリントン氏を上回るほどの勢いはなく、クリントン氏優勢の状況で11月8日の投票日を迎えると思われていた。

 だがここにきて状況が大きく変化した。FBIは10月28日、クリントン氏が国務長官在任中に私用メールを使った問題で、クリントン氏に対する捜査を再開したと議会に対して通知した。別件の捜査過程で、クリントン氏が関与するメールの中に、政府の機密情報を含む可能性があるものを新たに発見したというのがその理由だ。

 選挙まであと10日しかなく、一部では期日前投票も始まっている。このようなタイミングで選挙結果に重大な影響を与える可能性のある情報を公開するというのは前代未聞であり、FBIの上部組織である司法省も今回の発表には難色を示したといわれている。また、問題のメールの内容など捜査情報は一切公表されていないことから、政治的な背景を疑う声も出ている。

 このニュースが出た後の世論調査(ABC・ワシントンポスト)ではクリントン氏が47%、トランプ氏が45%となり両候補の差は一気に縮まった。
 米メディアの多くは、今回の出来事は無党派層の行動に大きな影響を与えると報じている。無党派層の有権者の中には、どちらの候補に投票するかまだ決めていない人も少なくないという。

 どちらかというとクリントン氏支持に傾いていた無党派層の一部が、私用メール疑惑が再び浮上したことでトランプ氏への投票に切り替える可能性も指摘されており、今回の捜査再開のニュースはトランプ氏に有利に働く可能性が高い。

 今回のFBIの発表は唐突で、かつ不透明なものであり、選挙を前にして政府内部でもかなりの勢力争いがあることをうかがわせる。仮にクリントン候補が逃げ切ったとしても、その後の政権運営に影響する可能性は高いだろう。

 - 政治

  関連記事

3chuzenkai
中国が国家安全委員会を設置した真意。日本との対決か治安維持か?

 中国共産党は、11月12日に閉幕した党の重要会議である第18期中央委員会第3回 …

fokurando
領有権問題が発生しているフォークランドで英国残留を問う住民投票。反対票はわずか3票

 英国が実効支配し、アルゼンチンが領有権を主張している英領フォークランド諸島で、 …

nenkin
年金運用益が過去最高。だが運用原資は毎年4兆円ずつ減少しているという事実

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月2日、2012年度の運用状況を …

security
オバマ大統領がサイバーセキュリティの大統領令に署名。だが産業界からは疑問の声も

 オバマ大統領は13日、サイバーセキュリティ対策を強化するための大統領令に署名し …

maduro
ベネズエラ総選挙で野党が勝利。ボリバル革命は原油安の直撃を受け瓦解

 反米主義を掲げ、社会主義的な政策を強引に推進してきた南米ベネズエラで総選挙が実 …

jutakugai
再来年に迫った相続税増税で住宅保有者は大慌て。だが今後も資産課税強化は続く

 2015年1月に迫った相続税の増税が住宅保有層における懸案事項になってきている …

karyoku
政府が温暖化ガス26%削減という野心的な目標を設定。ただし老朽原発再稼働と省エネ徹底が大前提

 政府は2015年6月2日、2030年までに温暖化ガスの排出量を2013年比で2 …

tu-95
ロシア軍機がグアム上空を威嚇飛行。これは尖閣問題と完全にリンクしている

 米太平洋軍は、ロシア空軍の航空機がグアム島近辺の上空を旋回し、米軍のF-15戦 …

maehara
前原戦略相が日銀政策決定会合への出席を示唆。困った日銀はどうする?

 前原誠司国家戦略相は2日の記者会見で、日銀の金融緩和の努力が足りない場合には、 …

hirari
クリントン前国務長官が出馬表明。知名度抜群だが、政策面での不安も

 民主党のヒラリー・クリントン前国務長官は2015年4月12日、インターネットの …