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富士重工の半期決算は円高の影響で減収減益。通期の業績は米大統領次第?

 

 富士重工業が発表した中間決算は、円高が進んだことなどから5年ぶりの減収減益となった。同社は自動車メーカーとしては珍しく国内生産にこだわっているが、為替の影響を大きく受けた形だ。
 今回の米大統領選挙では、クリントン候補のメール問題をめぐって為替がめまぐるしく動いたが、両候補とも世論の影響を受け保護主義的な色彩を強めている。日本メーカーは、現地生産をどこまで進めるのが得策なのだろうか。

subaru

 富士重工は2016年11月2日、2016年4~9月期(半期)の決算を発表した。売上高は前年同期比マイナス1.5%の1兆5776億円、営業利益は前年同期比マイナス26.9%の2085億円となった。

 減収減益になった原因は円高である。同社は日本の自動車メーカーの中でも国内生産比率が高いことで知られており、昨年度は全体の75%が国内生産だった。一方、販売は全体の85%が海外向けとなっており、同社の業績は為替の影響を大きく受ける。

 スバルのブランドは米国で高い評価を受けており、販売は好調である。販売台数の伸びに円安が加わったことで業績が大幅に拡大するという、輸出産業の典型的なビジネス・モデルといってよい。

 だが、このところ円高が続いたことで販売が好調であるにもかかわらず業績が伸び悩んでしまった。中間決算で減収減益となるのは5年ぶりのことであり、同社はこれまで106円としていた想定為替レートを104円に変更。2017年3月期の業績見通しも引き下げた。

 もっとも足元では為替の見通しは乱高下している。米大統領選では、クリントン候補のメール問題が再燃したことでトランプ氏への支持が急回復し、為替はさらに円高に進んだ。ところが、選挙の2日前になってFBI(米連邦捜査局)は訴追しないという従来の方針を堅持すると発表したことから、今度は円安に振れている。

 クリントン氏が勝った場合には、とりあえず現状が維持されるが、トランプ氏の台頭によって明らかになった保護主義的な風潮の高まりはおそらく一時的なものではない。スバルはこれまでニッチなブランドとして高い評価を受けてきたが、これ以上、米国市場で規模の拡大を目指すとなると、そうも言っていられなくなる。

 同社は来年4月に社名を富士重工からスバル(SUBARU)に変更し、社名とブランド名を統一する。大統領選挙の結果がどちらになるにせよ、米国市場にモノを輸出する同社のような企業にとって、来年は大きな転換点となるかもしれない。

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