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GEやシーメンスが相次いでソフト会社を買収。IoT陣営作りは最終段階?

 

 IoT(モノのインターネット)時代の到来を見据え、世界レベルの業界再編が相次いでいる。IoTへの準備は急ピッチで進んでいるが、残念ながら日本メーカーの存在感は薄い。この分野は現代の産業革命ともいわれているが、主導権の確保に失敗した場合、日本のモノ作りは致命的なダメージを受ける可能性がある。

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 米ゼネラル・エレクトリック(GE)は2016年11月14日、在庫管理や人事管理システムを開発する米サービスマックスを9億1500万ドル(約990億円)で買収すると発表した。GEはIoTビジネスのプラットフォームとなるシステム基盤をすでに開発している。事務管理システムをシステム基盤に接続することで、企業情報システムとの本格的な連携を狙う。

 同じく14日、GEのライバルである独シーメンスも米国のソフトウエア企業であるメンター・グラフィックスを45億ドル(約4860億円)で買収すると発表した。シーメンスはドイツのソフトウェア企業SAPと組み、GEと同様のIoTシステム基盤を提供している。
 シーメンスは、設計システムに強みを持つメンター社を買収することで、製造業におけるIoT化をさらに進めていく

 世界的な動きはまだ続く。今度は韓国サムスン電子が米自動車部品大手ハーマン・インターナショナル・インダストリーズを約80億ドル(8640億円)で買収すると発表した。ハーマンは通信機能を備えたコネクテッドカーの分野に強く、サムスンは自動車IT化の分野に足がかりを得る。

 製造業におけるIoTの分野では、GEとシーメンスの躍進は突出している。IoT時代においては、各デバイスからネットを通じて送信される情報を処理し、顧客サービスの向上につなげるためのソフトウェアがカギを握る。
 この部分で主導権を握ることができた企業は、ライバル企業にシステムを有償で開放したり、システムの運用を他社から請け負うなど、圧倒的な競争力を確保できる可能性が高まってくる。逆に、主導権を握れない企業は、ライバル企業の下請け的な立場に陥ることにもなりかねない。

 世界的な業界再編はここ1~2年が正念場と思われるが、残念ながら日本企業の名前は出てこない。日本勢はIoT仕様の標準化で出遅れたことから不利な戦いを強いられている。日本勢が置かれた状況を考えると、多少の利益を犠牲にしても、GEやシーメンス陣営の傘下に入るという現実的な選択肢を考えていく必要があるだろう。

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