ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

トランプ政権における安全保障面での一部人事案が明らかに。対テロ強硬派が揃う

 

 トランプ政権の安全保障分野の陣容が徐々に見えてきた。トランプ氏はオバマ大統領を上回る孤立主義になるとの見方もあったが、少なくとも安全保障の面では、必ずしもそうとは言えなくなってきた。

trump201611b

 米国の安全保障政策の立案に極めて大きな影響力を持つ安全保障担当大統領補佐官には、オバマ政権下で国防情報局長官を務めていたマイケル・フリン氏が指名された。フリン氏は、陸軍の退役中将であり、アフガニスタンやイラクにおいて情報関係の任務を数多く経験している。対テロ対策の専門家といってよい人物である。
 以前は民主党員だったが、国防情報局長官時代に上層部と意見が合わず、退任を迫られたことなどから、オバマ政権批判に転じていた。フリン氏は以前はテロ容疑者に対する水攻めなど過酷な尋問に反対していたが、現在では否定しないといわれる。

 ロシアとは対テロで協力する必要があるとの立場で、日米安保も重視している。フリン氏が補佐官に就任するということになれば、対テロは強硬路線に転じ、とりあえずアジア太平洋地域は現状維持ということになるかもしれない。

 対テロの諜報活動を担うCIA(中央情報局)長官には、マイク・ポンペオ下院議員が指名された。ティーパーティが支持母体であり共和党では最右派に属する政治家である。
 米国情報機関の監視を暴露したCIA元職員エドワード・スノーデン氏について「死刑にすべきだ」と発言したり、テロ容疑者に対する拷問を主張するなどかなり過激な人物として知られる。

 陸軍士官学校出身で軍務の経験もあるが、若くして軍を除隊しており、幹部としての経験はない。CIA長官にこうした人物が就任するケースは少なく、テロ容疑者などに対して厳しい姿勢で望むというトランプ政権のイメージを体現した人事といえるかもしれない。

 フリン氏が中東に対する軍事的関与についてどのようなスタンスを持っているのかは不明だが、この人事を見る限りは、孤立主義というよりも、テロ対策を重視してきたブッシュ政権に近いイメージがある。

 最終的な安全保障政策は、国防長官と国務長官が決まらなければはっきりしないので、現時点では何ともいえないが、テロ対策が一気に強化されることだけは間違いなさそうだ。

 - 政治 , ,

  関連記事

abe
総選挙は自民圧勝。安倍政権で日本はどうなる?政策に関する着目点をまとめてみた

 事前の予想通り、総選挙において自民党が圧勝したことで、永田町では早くも安倍政権 …

egyptdemo02
エジプトの反政府デモが重大局面。軍の介入は今後の民主化運動にどう影響するのか?

 モルシ大統領の退陣を求める大規模なデモが続くエジプトで、これまで中立を保ってい …

weizugamen
道路情報シェアのアプリをめぐって米で騒動。問われるインテリジェンス能力

 渋滞など道路情報をシェアするアプリ「Waze」をめぐって米国でちょっとした騒動 …

lassen ddg82
米駆逐艦の南シナ海航行。妥協点を模索するも、英国が攪乱要因に?

 米海軍の駆逐艦が、中国が埋め立てを行う南シナ海の南沙諸島付近を航行したことで、 …

asean
ASEAN首脳会議。議長国カンボジアが中国に遠慮し領有権問題を文面から勝手に削除

 カンボジアのプノンペンで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に …

tennouheika02
天皇陛下が生前退位のご意向。皇室典範に関する速やかな議論が必要

 天皇陛下が「生前退位」の意向を示されていることが明らかとなった。現行の皇室典範 …

obamaimin
米国で移民の国外退去を猶予する政策が不調。すでに時代は次のフェーズに進んでいた

 オバマ大統領が選挙対策の目玉として発表した不法移民の強制送還を猶予する政策が思 …

zenjindai2015
中国政府が2015年の軍事費を発表。GDP比でいくとまだまだ軍拡の余地がある

 中国政府は、2015年3月5日から行われている全人代(全国人民代表大会)におい …

amari
甘利大臣の「賃上げしない企業は恥ずかしい」という発言は、日本経済に何をもたらすか?

 甘利経済財政再生相は10月19日、テレビ番組に出演し「企業収益が上がっているの …

kuroda02
日銀が物価目標の達成時期を先送り。2年で2%は実質的に撤廃

 日銀は2015年4月30日、「15年度を中心とする期間」としてきた物価目標達成 …