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ネットで集合知は成立しない?偽ニュース問題でフェイスブックが大揺れ

 

 フェイスブックが偽ニュース問題の対応に苦慮している。基本的にニュースの選定には関与したくないが、機械的な選別だけでは偽ニュースを完全に排除することは難しい。SNSはメディア企業なのか、単なるサービス企業なのか、同社の立ち位置が問われている。

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 フェイスブックにはニュースの機能があり、米国では多くの国民がフェイスブック経由でニュースを見ているという。その中には、完全に虚偽の情報を垂れ流すサイトのニュースが多数含まれており、今回の大統領選挙にも大きな影響を与えたといわれている。
 今回の選挙が、両陣営にとって後味の悪い結果となったことから、選挙終了後から、同社に対してかなりの批判が寄せられている。

 以前、フェイスブックは社内に編集部を置き、人の手でニュースの選別や配信を行っていた。ところがリベラル寄りの記事が多すぎると批判されたことをきっかけに編集部を廃止。その後は、システムが自動的にニュースを選別するようになった。

 ところが、この自動選別が新しい問題を引き起こしてしまった。現在のシステムでは偽ニュースを垂れ流すサイトを完全に見破ることができないのである。
 世界には、とにかくアクセス数を稼ぎ、広告で利益を出すことのみに特化したニュースサイトが多数存在している。こうしたサイトは、正しい情報を掲載するのではなく、ネットの利用者が求める情報を捏造して掲載することも少なくない。多くの利用者が欲しがる情報を掲載しているので、アクセス数も多く、たちまち上位サイトに躍り出ることになる。

 システムを使った判別は、人名や年号など事実関係が明確なものについては高い精度が期待できるが、定性的なものは苦手だ。例えば「ローマ法王がトランプ氏を支持した」といったニュースの真偽を判定するのは極めて難しい。ローマ法王がトランプ氏を支持していないという事実を見つけ出さない限り、このニュースが100%ウソであると断言することはできないからである。

 フェイスブックは今回の事態を受けて、システムによるチェック機能の強化や読者による通報制度など、いくつかの改善策を提示したが、この中に人によるニュースの選別は含まれていない。同社としては、あくまでサービス企業であってメディアではないとの位置付けを強調したいものと思われる。だが、ニュースを配信する以上、メディアではないという位置付けは通用しない。

 これまで、フェイスブックのような企業は、都合のよい部分ではメディアのように振る舞い、都合が悪くなるとメディアではないという、場当たり的な対応を行ってきた。インターネットという集合知を駆使すれば、既存のメディアよりも正しい情報が得られるという理屈は、やはり机上の空論だったようである。

 - マスコミ, 社会 ,

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