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高齢者の自動車事故が増加しているのは、高齢者の絶対数が増えているから

 

 最近、高齢者ドライバーによる事故のニュースを多く目にするようになった。一部からは高齢者ドライバーの事故率が上がっているとの指摘があるが、これは事実ではない。事故の増加は、高齢者の絶対数が増加したことによるものであり、対策もこうした現実を前提にする必要がある。

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 11月12日に東京都立川市の病院敷地内で発生した事故では、乗用車が突然暴走し2人が死亡した。乗用車を運転していた女性は83歳だったが、免許取り消しの対象となる認知症の診断はなかったといわれる。純粋に高齢化による判断力の低下が原因と考えられている。

 警察庁の調べによると、今年10月末時点における運転者による死亡事故は2740件だったが、75歳以上の事故は377件と約14%となっている。交通事故全体の件数は年々減少しているが、80歳以上のドライバーによる事故は例外で、2015年は2005年と比較して約1.7倍に増加した。

 これは高齢者ドライバーの事故率が上がっているわけではなく、高齢化に伴い運転する高齢者の絶対数が増加したことが主な原因である。
 80歳以上の免許保有者は、同じ期間で2.5倍以上に増えており、これに伴って事故の絶対数も増えた格好だ。一部からは高齢者の事故率が上がっているので、対策が必要との声が出ているが、それは正しくない。あくまで絶対数の増加が原因であり、対策もこうした現実をベースにする必要がある。

 警察や自治体では、運転免許を保有する高齢者に対して免許を返納してもらうよう働きかけている。返納者に対しては公共交通機関の運賃を割り引くなどのサービスを提供しているが、ほとんど効果は上がっていない。地方の場合にはクルマがなければ生活ができず、免許を返納したくてもできない人が多いと思われる。

 こうした状況に対してAI(人工知能)による自動運転システムの普及は有力な解決手段となる。日本政府は段階的な自動運転の普及を計画しており、2020年には部分的な自動運転が実用化され、2025年頃には完全自動運転車が登場してくる見込みだ。
 だが諸外国の開発スピードは速く、2020年頃には完全自動運転車が実用化される可能性が高い。自動運転車については、その安全性について疑問視する意見もあるが、少なくとも高齢者ドライバーに運転を委ね続けるよりは、安全が確保される可能性は高い。

 自動運転を普及させるには自動車保険の扱いなど、制度的に決めなければならない部分がたくさんあり、政府の動きがカギを握る。現実を見据えた対応が必要な時期に来ているだろう。

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