ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

一筋縄ではいかない日露交渉。プーチン大統領は意図的な遅刻で日本側を翻弄?

 

 岸田文雄外務大臣はロシアのプーチン大統領らとモスクワで会談し、今月に開催される日露首脳会談の地ならしを行った。ロシア側からは案の定、先制パンチが繰り出され、日露交渉が一筋縄ではいかないことをあらためて印象付ける結果となった。

kishidaputin

 ロシアは旧共産圏の国であり、現在でもプーチン大統領は独裁に近い権力を握っており、その体質は変わっていない。共産圏外交の特徴は、基本的にホームに招き入れ、スケジュールを何度も変更するなど相手を翻弄するというものだ。

 今回の日露交渉でもその手腕はいかんなく発揮された。岸田氏は2日にプーチン大統領との会談に臨んだが、プーチン氏は2時間も遅れて登場。会談はわずか30分で終了してしまった。岸田氏は翌日、ラブロフ外相との会談を控えており、そこでは、より具体的な交渉を行う必要がある。プーチン氏のこうした振る舞いは、日本側に心理的なプレッシャーを与えることが目的と考えられる。

 報道によると、プーチン氏は岸田氏との会談の直前まで、国内行事で演説を行っており、遅刻は意図的なものであることは間違いない。しかも会談の参加者の急な変更などもあり現場は慌てたという。

 翌日のラブロフ外相との会談について岸田氏は「有意義な会談ができた」と強調したのに対し、ラブロフ氏は何度も「両国間の立場には隔たりがある」と発言し、領土問題の早期解決は難しいとの考えを示した。
 もちろん、これはロシア側の揺さぶりということになるが、基本的に日露交渉を強く望んでいるのは日本側であるのは事実だ。今回の会談は、ボールはすべてロシア側にあるという現実を、あらためて国際社会に示す結果となった。

 尖閣諸島をめぐる日中交渉では、日中首脳会談の実現を日本側から何度も繰り返し要請したほか、大統領就任前のトランプ氏との会談を強く求めるなど、日本は常に相手に対して会談をお願いする立場になっている。
 もちろん積極的に外交を行うことは悪いことではないが、冷酷な国際社会のルールとして、最初に依頼した方はお土産を持参する必要があり、このような形でばかりで外交を行っていると、基本的に不利なレースを強いられてしまう。

 ロシアと日本は基本的に地政学的利害が対立する国であり、ロシアと接近するメリットはそもそも薄い。しかも、北方領土はロシアが不当に占拠したものであり、原理原則からすれば日本側に譲歩する余地はない。
 ロジックで考えれば、日本側から解決を依頼する状況ではないことが分かる。交渉の成果を急ぐあまり、この原理原則を曲げるようなことになってしまっては本末転倒である。

 - 政治 , , ,

  関連記事

lenovo
米国政府が中国製ITシステムの調達を制限。ただし完全な実施は困難との見方

 米国で中国製ITシステムの政府調達を制限する法律が成立した。3月26日に成立し …

no image
銃撃で死亡した山本美香氏。ビデオジャーナリストの実態はTV局の下請労働者

 内戦が続くシリアで日本人ジャーナリストの山本美香氏が銃撃を受けて死亡した。勇気 …

g8
G8でグローバル企業の租税回避対策が骨抜きになってしまう理由

 シリア問題と並んで主要国首脳会議(G8サミット)の議題の一つであった租税回避問 …

nodae02
政府が公務員の年金特権待遇を維持する法案を閣議決定。臨時国会で成立予定

 政府は、2日の閣議で国家公務員の退職金を引き下げる法案と、新たな年金加算制度を …

takenaka
経済財政諮問会議のメンバーが固まる。改革イメージ醸成と経団連外しが狙い?

 政府の経済政策の司令塔となる経済財政諮問会議や日本経済再生本部のメンバーが明ら …

tanigaki
自民党政権で初の死刑執行。だがなぜこの3人なのか?基準はまったく不明

 法務省は21日、死刑囚3人の死刑を執行したと発表した。政権交代で自民党の谷垣法 …

kaigosisetu
特養の規制を都市部で一部緩和。だが介護政策における根本的矛盾は解消されず

 厚生労働省が特別養護老人ホーム(特養)に関する規制を都市部に限って緩和する方向 …

subic00
米軍がフィリピンの巨大軍事基地を復活。太平洋の重要拠点は日本ではなくなっている

 米軍がアジア太平洋地域に対する軍事力のシフトを強化している。  フィリピン政府 …

nitigin
安倍氏が日銀法改正に言及。今の日銀法に変えたのは自民党だって覚えてますか?

 自民党の安倍総裁は15日都内で講演を行い、マイナス金利について言及したうえで「 …

obamatennengas
オバマ大統領が2020年までに米国は天然ガスの純輸出国になるとの見通しを明らかに

 メキシコなど中米諸国を歴訪したオバマ米大統領は5月4日、コスタリカで開催された …