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カジノ基本法案が衆院通過。あくまで基本法であり、具体的な駆け引きはこれから

 

 カジノを推進するための基本法である「統合型リゾート整備推進法案」(いわゆるカジノ法案)が2016年12月6日の衆院本会議で可決された。週内にも参院で可決・成立する見込みだが、今回の法案はあくまで基本法に過ぎない。カジノについての詳細は、来年以降に策定される具体的な法案にかかっている。
 kajino

 今回、衆院を通過したのは、カジノ推進に関する基本法であり、運営に関する具体的な内容は何も定められていない。カジノ運営の詳細については、1年以内に整備される各種の法案の中に明記されることになる。つまりカジノ利権を左右することになる具体的な項目については、年明け以降、駆け引きが本格化することになる。

 カジノに対しては、産業界の一部から期待が寄せられているが、一方では反対の声も大きい。特に懸念されているのがギャンブル依存症問題である。
 今回の基本法には、利用者の入場規制、青少年に対する知識の普及といった項目が盛り込まれているが、依存症対策については特に言及がない。衆院では、法案の内容に対する懸念から、付帯決議が実施され、依存症対策について政府に検討を促すことになったが、どの程度の措置が実施されるのかは何ともいえない。

 依存症対策は、日本においては実はパンドラの箱である。あくまで建前上の話だが、日本ではこれまで賭博は公営しか認められてこなかった。パチンコは実質的にギャンブルだが、表面的には景品を出すアミューズメント施設に過ぎない。
 だが、カジノ法案が成立し、民間企業が賭博場を運営するということになると、既存のパチンコ産業をどう位置付けるのかという問題が発生する。もしパチンコをギャンブルと見なした場合、日本は世界でも屈指のギャンブル大国であり、公営ギャンブルも含め、総合的な依存症対策が必要という話になりかねないのだ。

 パチンコは警察庁、公営ギャンブルは農林水産省、国土交通省、経済産業省などと管轄が分かれており、省庁間の権益争いになる可能性があり、話はややこしい。
 このほか、カジノのライセンスをどう付与するのかといったところでは、カジノ参入を検討する企業や、機器のメーカー、各省の思惑が錯綜し、調整が難航するのは必至だ。カジノ運営の詳細を決める法案作成は政府に丸投げされているが、一筋縄ではいかないだろう。

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