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大方の予想通り、ゼロ回答に終わった日露交渉。3000億円だけが一人歩き

 

 安倍首相とロシアのプーチン大統領は2016年12月15・16日、日本において首脳会談を行った。国内の一部から、北方領土問題に関して大きな前進があるのではないかという過大な期待があったが、大方の予想通り、ロシア側からはほぼゼロ回答だった。
 一方で、3000億円の経済協力については合意に達しており、領土問題にほとんど進展が見られないまま、資金提供の話だけが進む結果となった。

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 今回の首脳会談に対する安倍政権の力の入れようは尋常ではなかった。わざわざロシア経済分野協力担当相まで設置し、北方領土問題の前進と本格的な経済協力関係の構築を目指していた。一次は、シベリア鉄道の日本延伸など、少し熱に浮かされた話題まで飛び出す始末だった。

 ロシアは現在、米国などから経済制裁を科されており、国内経済は厳しい状況にある。西側で唯一、ロシアに優しい顔をする日本に対して、プーチン大統領は譲歩するサインを見せていた。ロシア側の目的はシンプルで、日米間に亀裂を入れ、米露交渉を有利に進めることである。日本はそのためのコマであり、日本側はその状況を冷静に受け止め、狡猾に交渉を進める必要があった。やり方次第では、領土問題においても多少の譲歩を引き出せる余地があったかもしれない。

 だが日本側がはしゃぎすたことで、ロシア側には完全に足元を見られる形となってしまった。ダメ押しとなったのが米大統領選挙である。

 トランプ次期大統領はロシアに対して態度を軟化させており、米露交渉が進展する可能性が見えてきた。ロシアにとって対米関係が最重要課題であることを考えれば、プーチン大統領が日本に対して興味を失ってしまうのもやむを得ないかもしれない。

 日本とロシアは地政学的に見て、基本的に利害が対立する国であり、そもそも歩み寄れる余地が少ない。しかも北方領土はロシアによる不法占拠であり、下手に条件交渉を進めてしまうと、ロシアによる支配を正当化することにもつながってしまう。

 平和条約締結に向けて交渉すること事態は重要だが、日米関係の行き詰まりや日中関係の悪化を理由に、むやみにロシアに近づくことは戦略的にほとんど無意味である。ゼロ回答に終わってしまった今回の日露交渉は、こうした現実をあらためて認識させることになった。

 今回、ロシアの天然ガス開発や都市インフラの整備などで約3000億円の経済協力を実施することが決まったが、これらのプロジェクトについても要注意だ。領土問題をちらつかせ、政治的な進展と引き換えに、さらに多額の資金提供を求められる可能性もある。経済協力についても、一度ゼロベースで考え直すくらいで丁度よいだろう。

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