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トランプ政権の経済閣僚が固まる。かつての対日貿易交渉がそのまま中国版にシフト?

 

 トランプ次期政権の経済チームの顔ぶれがほぼ固まった。対中強硬派の人物が多く、中国との貿易不均衡問題が政治的テーマとなることはほぼ確実だ。場合によってはかつて日本が経験した貿易摩擦が中国版として再来することになるかもしれない。

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 財務長官には元ゴールドマン・サックスのスティーブン・ムニューチン氏、商務長官には著名投資家のウィルバー・ロス氏、経済政策の司令塔である国家経済会議(NEC)委員長にはゴールドマン・サックス社長兼最高執行責任者(COO)のゲーリー・コーン氏、新設の国家通商会議トップにはピーター・ナバロ氏をそれぞれ起用する。また通商交渉の実働部隊であるUSTR(米通商代表部)代表にはUSTR出身のロバート・ライトハイザー氏が就任する。

 特徴的なのは商務長官のロス氏と、国家通商会議トップのナバロ氏、そしてUSTRのライトハイザー氏である。ロス氏とナバロ氏はトランプ氏の経済政策を取りまとめた中心人物で、輸出を増やし貿易不均衡を是正することで経済成長を実現するという趣旨の論文を連名で寄稿している。特に中国に対しては強硬派として知られ、不公正な貿易を行っていると厳しく批判している。

 国家通商会議は通商交渉に関する戦略を大統領に提言する新しい組織で、国内の失業者対策を念頭に設置された。国家通商会議で貿易交渉の戦略を練り、商務省やUSTR(米通商代表部)が具体的な政策を実行することになるが、おそらく主要テーマは中国との貿易不均衡是正ということになるだろう。

 USTR代表のライトハイザー氏は、レーガン政権時代のUSTR次席代表として対日貿易交渉にあたった実務家である。その後は、米国の鉄鋼業界のロビー活動を行い、中国製品に対する関税適用を強く主張してきた。トランプ政権にはうってつけの実務家である。

 貿易赤字、貿易不均衡、USTRなどというキーワードは、1980年代の日本が嫌というほど聞かされたきたキーワードである。この経済チームが実際に稼働することになれば、かつての対日貿易交渉の再来となる可能性が高い。

 当時と同じことが繰り返されるのだとすると、為替はドル高となり、中国は内需経済の活性化が求められ、輸出産業は米国の現地生産化を進めるだろう。
 iPhoneの製造を丸ごと請け負っている鴻海精密工業が米国に巨大工場を建設したり、中国版の前川レポート(米国との貿易不均衡是正を目的に、日本の内需拡大策をとりまとめた報告書)が出てくることも十分に考えられる。一連の交渉を経験した日本にとっては比較的、状況が読みやすい展開となるかもしれない。

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