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ハードはタダの箱になる。世界的家電見本市CESで一気に主役交代の流れ

 

 世界最大の家電見本市「CES」が2016年1月6日から8日にかけて米ラスベガスで開催された。CESでの展示や講演を見れば家電の最新トレンドが分かるといわれているが、今年の展示はAI(人工知能)一色となった。ハードはただの箱という扱いになり、AIが次世代家電のカギを握ることがより鮮明になってきた。

nvidiaceo

 SECは1967年から開催されている由緒ある見本市で、毎年1月にラスベガスで行われる。かつては最新のAV機器を展示する場だったが、近年ではネット・サービスや電気自動車など対象分野が広がってきている。

 CESでは、今年の主役になると考えられる企業が基調講演を行うことになっており、どの企業が基調講演を担当するのか多くの関係者が注目している。今年の基調講演を担当したのは、米NVIDIA(エヌビディア)CEOのジェンスン・ファン氏だった。
 NVIDIAは一般にはあまり知られていないが、パソコン用の画像処理チップの設計を手がけてきた半導体企業である。最近では人工知能向けチップの開発で市場の注目を集めている。

 人工知能を家電や自動車などに搭載し、現実的なレベルのサービスを行うということになった場合、高速処理を行うコンピュータが必要となる。汎用性を追求してきた現在のパソコン向け半導体では実現は難しく、人工知能に特化したものが求められている。
 ここで急浮上してきたのが、画像処理に用いる高度な演算処理を得意としてきたNVIDIAである。こうした企業が注目を集めているということは、AIがいよいよ実用段階に入ってきたことを意味している。

 NVIDAと並んで存在感を一気に高めているのが米アマゾンである。アマゾンはメーカーではないのでプロダクトはあまり持っていないが、AIの中核技術を持っている。韓国LGがアマゾンのAIを使った家電を発表したほか、米家電大手のワールプール、米GE、中国レノボなどが、アマゾンとの提携を進めている。表には見えない形でアマゾンAIの市場浸透が進む。

 見本市では、ソニーが復活の象徴として有機ELを使った薄型テレビ「A1Eシリーズ」を大々的に発表したが、市場の関心はもはや機器そのものには注がれていない。いまだにハード偏重から脱却できていない日本の家電メーカーは、さらに周回遅れとなってしまった印象だ。

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