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トランプ氏が正式に大統領に就任。演説では米国第一主義を何度も強調

 

 共和党のドナルド・トランプ氏は2017年1月20日、大統領就任式に臨み、第45代アメリカ大統領に正式に就任した。トランプ氏は就任演説で、米国第一主義を宣言し、ワシントンを中心とするエスタブリッシュメント(支配階級)の手から政治を奪い返すと強調した。米国が自国中心主義を強めることは確実な状況となった。

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 トランプ氏の就任演説は約20分という簡潔なものだった。冒頭でトランプ氏はワシントンのエスタブリッシュメントは自らを保護したが国民は守らなかったと厳しく批判。政治を国民の手に奪い返すと強く宣言した。

 具体的なテーマとして最初に言及したのは貿易問題であった。米国は長年にわたって自国の産業を犠牲にし、他国に利益を与えてきたと述べ、自国産業の利益を中心とする考えを明確にした。また他国の防衛に多額のコストをかけてきたと主張し、日本や韓国の駐留米軍の負担軽減を匂わせた。
 続いてトランプ氏は国内のインフラ整備について言及。具体的な数字には触れなかったが、高速道路や鉄道網の整備を行うとした。

 一連の経済テーマの後にトランプ氏が触れたのはイスラム過激派であった。テロに対抗して文明世界を団結させるとし、テロを地球上から根絶すると強調した。
 この後、過去の大統領の演説に倣い聖書の一節に言及するとともに、テクノロジーの発達などについて触れ、終盤で人種を越えた団結を呼びかけて演説をしめくくっている。

 言及した順番から考えると、インフラ投資よりも米国第一主義を前面に打ち出しており、保護主義的な色彩の濃い演説といえる。
 トランプ氏は就任式を終えると早々に、医療保険改革制度(いわゆるオバマケア)の見直しに関する大統領令にサインし、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱と、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉について表明した。市場では巨額のインフラ投資に注目が集まっているが、少なくとも政権がスタートした当初は、保護主義的なスタンスが目立つことになるだろう。

 一般的に輸入規制など保護主義的な政策は、経済成長を抑制する要因となる。ただ米国はエネルギーや食糧を自給できることに加え、世界最大の消費市場を持っており、閉じた経済圏として振る舞うことができる。
 仮に保護貿易が米国経済の成長にマイナスの影響を与えたとしても、諸外国と比較した場合、米国への影響は軽微になる可能性もある。これは言い換えれば、近隣各国に対する窮乏政策であり、米国への輸出で経済を成り立たせている国にとっては厳しい時代の到来を意味している。

 当面は具体的な保護主義政策がどの程度のものなのか見極める動きが続くことになる。だが、選挙戦を通じて訴えかけてきた保護主義が、イメージだけのものではないことは確実となった。

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