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鴻海が米国に巨大な液晶パネル工場を建設。ソフトバンク孫社長の仲介が功奏?

 

 シャープを買収した台湾の鴻海精密工業は2017年1月22日、米国に液晶パネルの新工場を建設すると発表した。投資規模は8000億円に達し、米アップルも投資に参加するという。同社が米国に巨額投資を実施することは予想されていたが、投資規模の大きさに市場からは驚きの声が上がっている。

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 鴻海が米国に工場を建設するのは、当然のことながらトランプ大統領の保護主義的な政策に対応するためである。トランプ氏は選挙期間中からアップルとiPhoneの製造を一手に引き受ける鴻海に対して、米国内の雇用を奪っているとして厳しく批判してきた。
 この状況に助け船を出したのがソフトバンクの孫正義社長である。孫氏はトランプ氏が大統領選挙に当選するとすぐにトランプ氏を訪問し、500億ドル(約5兆7000億円)を米国に投資し、5万人の雇用を生みだすことを約束している。

 実はこの時、孫氏は鴻海の米国投資計画についてもトランプ氏に説明している。孫氏が提示した資料には、鴻海の名前もあり、70億ドルの投資と5万人の雇用を生み出すとの記述があった。このため関係者の多くは、近く鴻海が米国への投資を決断すると予想していた。

 ただ、鴻海は昨年末、中国に約1兆円を投じて大型の液晶パネル工場を建設すると発表したばかり。それに続く大型投資案件であり、投資規模も8000億円と大きく、一部からは供給過剰リスクを指摘する声が上がっている。
 今回の投資にはアップルも参加することを考えると、同社は大型TVなど家電製品の投入を検討している可能性がある。もしそうであれば、供給過剰という問題は発生しないかもしれない。

 液晶パネルの工場は、単純に生産ラインだけがあればよいというものではなく、工場に部品を供給するメーカーとの協力関係が不可欠となる。場合によってはこうした部品メーカーも鴻海の米国進出に合わせて米国内に工場を建設する可能性があり、現地の雇用はさらに伸びることになるだろう。

 一般的にコストの高い国で生産するのは効率が悪く、企業の業績悪化要因となるが、アップルの製品価格は高いため、ある程度のコスト増加は価格に転嫁できる可能性がある。また米国は人件費こそ高いものの、シェールガスの開発によってエネルギーをもっとも安く調達できる環境にある。
 製造拠点の米国シフトは、行き過ぎれば米国経済全体にとってマイナスとなるが、当面は政治優先で、こうした動きが継続する可能性が高い。

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