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福島原発2号機の内部映像を東電が公開。最悪の状態ではなさそうだが・・・

 

 東京電力は2017年1月30日、福島第1原子力発電所2号機の原子炉格納容器内部の映像を公開した。全体像の把握にはまだ時間がかかるが、廃炉作業に向けた最初のステップが動き始めた。

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 福島第1原発の廃炉作業を実施するためには、原子炉内部の状況を把握する必要がある。1号機と3号機は水素爆発を起こしたため内部の損傷が激しく、今のところ調査は進んでいない。2号機については爆発を起こしていなかったことから、ある程度の調査ができるのではないかと期待されていた。

 今回の調査は、圧力容器の下部に燃料デブリ(核燃料などが溶融して固まったもの)が落下していないかを確認することが目的。カメラを搭載したパイプを格納容器の横から挿入して内部の撮影を行った。

 もし圧力容器下部の大半が損傷し、多くの燃料が溶け落ちていた場合、原子炉下部の空間に広範囲にわたって燃料デブリが存在する可能性が高い。燃料デブリは極めて強い放射線を出すため、このような状態で廃炉作業を行うのは困難である。

  圧力容器下部を撮影したところ、制御棒の駆動装置が映っており、少なくとも撮影範囲については、装置が大破あるいは消失した状態ではないことが確認された(写真)。少なくとも原子炉の底が完全に抜けた状態ではないことが分かる。
 また動画の撮影中は画面にはほとんどノイズが映っておらず、著しく高い放射線量ではないことをうかがわせたほか、圧力容器からは水がしたたり落ちている様子も確認された。これは原子炉内部に注入している冷却水が、ある程度、炉内に貯まっていることを意味しており、原子炉の損傷がそれほど大きくない可能性を示唆している。

 一方、圧力容器下部の構造物に一部、消滅している部分があったり、堆積物が確認できるところも確認された。これが溶け出した燃料によるものなのかは今後の分析を待つ必要がある。溶けた燃料による破損であれば、さらに下部に燃料が落下している可能性が高く、廃炉作業の難易度は上がる。

 いずれにせよ、格納容器内部の撮影が出来たことは、廃炉作業にとっては大きな前進となる。東電では今後、内部にロボットを入れてより詳しい調査を行うとしている。

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