ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

反ウォール街だったはずのトランプ政権に多数のゴールドマン出身者

 

 選挙期間中からウォール街を敵視し、庶民の味方であることを強調していたトランプ大統領だが、フタを開けてみれば、政権幹部に多数のウォール街関係者が登用されている。特に名門投資銀行と呼ばれるゴールドマン・サックスの出身者が目立つ。同行はこれまでも多くの政権に人材を輩出してきたが、トランプ政権になっても状況は大きく変わらないようだ。

munyutin

 ゴールドマン出身でもっとも重要なポストに就いているのは、財務長官のスティーブン・ムニューチン氏と国家経済会議(NEC)議長のゲーリー・コーン氏である。ムニューチン氏は同社の元パートナー(経営幹部)で、父親も同社出身という根っからの金融マンである。コーン氏の前職はGSの社長兼最高執行責任者(COO)で、同社のナンバー2というポジションだった。次期社長の声もあったが政権入りを選んだ。

 変わったところでは、首席戦略官・上級顧問に就任したスティーブン・バノン氏もゴールドマン出身である。バノン氏は右翼ニュースサイトの経営者で、トランプ氏の選挙活動の中核を担ってきた。一部からはその人種差別的言動が問題視されている人物だ。
 同氏は海軍を除隊するとゴールドマンの投資銀行部門で働き、ニュースサイトの経営に転じている。ゴールドマンでは幹部というほどのポジションではなく、同社出身なのは偶然と思われるが、人物が人物であるが故に、外部への印象が強烈になってしまった感は否めない。

 このほかにも複数の同社出身幹部が政権入りしているが、これだけの数のウォール街出身者がいれば、当然、政策もその影響を受けることになる。
 トランプ大統領は就任するとすぐに、オバマ政権が進めてきた金融規制を見直す大統領令に署名した。ドット・フランク法に基づく各種の規制を緩和し、金融機関が再び高リスク取引に参入できるようにすることが目的であり、これはウォール街の悲願でもあった。

 今のところ米国は順調に経済成長を続けており、株価も業績に連動して動いている。規制緩和によって信用リスクの許容度が上がったとしても、すぐにバブル的な状況になるわけではないが、緩和が行き過ぎれば、長期的にはバブルの元凶になる可能性は否定できない。
 現在のドット・フランク法による規制は厳しすぎるとの声もあり、今回の規制緩和はプラスに評価する声もある。この政策が米国経済にどのような影響を与えるのかについては、しばらく様子を見た方がよいだろう。

 - 政治, 経済 , , ,

  関連記事

kissinger
キッシンジャー氏が尖閣問題について発言。だが、その背景はちょっと微妙!

 米ニクソン政権の国務長官で米中国交回復のキーマンであったヘンリー・キッシンジャ …

futenma
普天間基地の県外移設に関する議論は、なぜ聞いていてスッキリしないのか?

 安倍首相は11日の衆院予算委員会において、米軍普天間飛行場の県外移設について「 …

bouekikontena
10~12月GDPはプラス1%。個人消費は横ばいで、状況は大きく変わらず

 内閣府は2017年2月13日、2016年10~12月期のGDP(国内総生産)速 …

krugman
アベノミクスをクルーグマン教授が評価したという記事で触れられなかった事実とは?

 米国の著名な経済学者ポール・クルーグマン氏が安倍政権の経済政策「アベノミクス」 …

apple
Appleの最終決算は利益率低下の影響が一旦収束。株主還元への注目がさらに高まる

 米アップルは10月28日、2013年7~9月期決算および2013年9月期の通期 …

gpif
年金運用のポートフォリオが大幅変更に。だが実際には現状を追認しただけ

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は6月7日、年金積立金の基本ポートフ …

apple
アップルの4~6月期決算。中国向けiPhoneが引き続き堅調であることを確認

 米アップルは2014年7月22日、2014年4~6月期の決算を発表した。売上高 …

merukeru03
最低賃金の導入に揺れるドイツ。最低賃金制度は経済成長の阻害要因なのか?

 最低賃金の導入をめぐってドイツが揺れている。ドイツは一部の職種を除いて最低賃金 …

hatake
農業の競争力強化を目指す政府系ファンドが開業。実態は衰退する農業への補償金?

 農業の競争力強化を目指す官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構」が1日開業し …

mof05
2016年度予算の概算要求はさらに大型化。財務省は前年度並みに減額したいところだが

 財務省は2015年9月4日、2016年度予算の概算要求額を公表した。一般会計は …