ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

日米首脳会談は無難に終了。貿易や為替に関する議論は今後の経済対話に持ち越し

 

 安倍首相は2017年2月10日、ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と首脳会談を行った。とりあえず日米関係の重要性を再確認するという無難な形で会談を終えたが、広範囲な分野で議論を行う経済対話の枠組みを創設することで合意するなど、今後に含みを残す形となった。

trumpabe01

 安倍氏とトランプ氏の会談は昼食をはさんで約1時間40分。訪米前の観測では、トランプ氏が貿易や為替について日本側に強い要求を示すとの見方もあったが、結局トランプ氏は外交儀礼に沿った形式的な態度に終始した。
 安倍氏は日本の自動車メーカーが米国の雇用に貢献していることを説明。トランプ氏も日本メーカーの活動を評価した。トランプ氏から具体的な要求が出ることはなく、為替についても直接の議題には上らなかった模様。

 ただ、米国側が貿易や為替についての要望を取り下げたわけではない。これらの問題については、麻生副総理とペンス副大統領による対話の枠組みを新設し、広範囲な分野で包括的に議論することを確認した。具体的な要望は、この経済対話を通じて具体化してくるものと思われる。

 会談後に発表された日米共同宣言は経済面よりも安全保障面が強調された形になった。冒頭に日米関係やアジア太平洋地域の重要性などが盛り込まれ、普天間基地の移設計画については、名護市辺野古への建設を推進することが明記された。また尖閣諸島については、日米同盟の適用範囲であることが再確認された。

 経済面では、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの離脱と、二国間協議の実施が明記されたが、本文中には「自由貿易と公正貿易のルールに基づいて」「市場障壁の削減」といったキーワードがちりばめられており、このあたりが、今後の経済対話の中の焦点となりそうだ。
 
 とりあえず、首脳会談を無事終え、アジア太平洋地域の秩序に大きな変化がないことを確認できたのは大きな成果といえる。だがトランプ政権が本当のところ何を目指しているのか、分からずじまいであった。ドル円の為替について特にトランプ氏からは言及がなかったことで、市場関係者は胸を撫で下ろしているが、今後も、必要に応じて口先介入してくる可能性は否定できない。

 日本側としては、今後の経済対話の場において、目立たない形で負担を要求される結果にならないよう、細心の注意が必要だろう。

 - 政治, 経済 , ,

  関連記事

detroit
米自動車産業は奇跡の復活を遂げたのに、なぜデトロイト市は破綻したのか?

 GM(ゼネラル・モーターズ)やフォードなどが本拠を構える自動車の街、米デトロイ …

jieiken
集団的自衛権行使容認に向けた実務作業がスタート。憲法改正論議に与える影響は?

 安倍政権が集団的自衛権行使を容認するための本格的な作業に着手した。半年以上開催 …

yukihatoyama
鳩山氏の暴走で浮き彫りになる、日本人にとっての「法の支配」

 クリミアを訪問中の鳩山由紀夫元首相は2015年3月12日、旅券を返納させるべき …

shukinpei
中国に異変?新聞検閲問題が北京にも波及し、香港では行政長官弾劾の動き

 中国共産党による独裁体制を批判する動きが、国内でじわじわと広がってきている。新 …

marines
日本の軍事費は世界第5位に。だが自衛隊の「質」はどの程度なのか?

 スウェーデンのシンクタンク・ストックホルム国際平和研究所は4月15日、世界の軍 …

sebunsuzu
物言う株主がセブンの世襲人事観測に警鐘。会社側は否定しているが・・・

 物言う株主として知られる米ヘッジファンド運営会社サード・ポイントが、セブン&ア …

abe001
まるでデジャヴュ。安倍政権は日本にハイパーインフレをもたらすのか?

 量的緩和策の拡大と大規模な財政出動を組み合わせる安倍政権の経済政策「アベノミク …

nenkin
年金運用益が過去最高。だが運用原資は毎年4兆円ずつ減少しているという事実

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月2日、2012年度の運用状況を …

keitairyoukin
迷走する携帯料金引き下げ問題。日本の劣化を示す象徴的な事例

 携帯料金の見直しに関する議論が激しさを増している。高市早苗総務大臣は、記者団に …

jutakugai
再来年に迫った相続税増税で住宅保有者は大慌て。だが今後も資産課税強化は続く

 2015年1月に迫った相続税の増税が住宅保有層における懸案事項になってきている …