ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

10~12月GDPはプラス1%。個人消費は横ばいで、状況は大きく変わらず

 

 内閣府は2017年2月13日、2016年10~12月期のGDP(国内総生産)速報値を発表した。物価の影響を除いた実質でプラス0.2%、年率換算ではプラス1.0%と4四半期連続のプラス成長となったが、消費は低迷が続いている。

bouekikontena

 GDPの6割を占める個人消費は横ばいとなっており、内需が振るわない状況が続いている。設備投資はプラス0.9%、政府支出はプラス0.4%と成長を後押ししたが、公共事業がマイナス1.8%となり、これらのプラスを打ち消した。
 前期までは住宅が好調だったが、相続税対策のアパート建設が一服したことで住宅投資はプラス0.2%にとどまっている。

 今期のGDP成長のほとんどは輸出増によって実現した。好調な米国経済を背景に米国向けやアジア向けの輸出が増加しており、GDPへの寄与度はプラス0.2%となっている。

 アベノミクスがスタートして以降、日本経済は個人消費の低迷が続き、これを公共事業が補うという構図が続いてきた。円安は進んだが、米国やアジアでの現地生産が増えていることもあって、輸出の増加には結びついていない。一方、円安は輸入物価の高騰をもたらし、これが消費を抑制するという悪循環になっている。

 公共事業の継続には限度があるが、幸い、トランプ大統領の就任によって米国の好景気が継続する可能性が高まってきた。しばらくの間は、米国の景気拡大によって輸出が増加し、その分、GDPも成長するというシナリオが成立する。実際、今期のGDPは、それに近い結果となっている。

 だがこの図式は、米国の好景気で輸出が伸びた2007年前後の状況と同じである。米国の好景気が続いている間に、内需拡大策を実施する必要があったが、リーマンショックが到来し、すべてが変わってしまった。

 今回、トランプ景気が継続している間に、内需拡大策を実施できなければ、前回と同じ轍を踏むことになる。日本経済にとっては、今後しばらく続く小康状態が最後のチャンスということになるかもしれない。

 - 経済 ,

  関連記事

hatake
農業の競争力強化を目指す政府系ファンドが開業。実態は衰退する農業への補償金?

 農業の競争力強化を目指す官民ファンド「農林漁業成長産業化支援機構」が1日開業し …

setsubitousi
4~6月期における企業の利益は大幅増。今後は円高とエネルギー価格の綱引きに

 財務省は2014年9月1日、4~6月期の法人企業統計を発表した。全産業(金融・ …

meti03
経済産業省がこのタイミングで国家統制色の強い法案を出してくる背景とは?

 政府が秋の臨時国会に提出する産業競争力強化法案は、政府主導でリストラやM&am …

kiha183
JR北海道の連続列車火災事故。根本原因はかなり深刻との声も

 JR北海道の特急列車で連続して火災が発生した問題をうけて、JR北海道は事故車両 …

bouekitoukei201305
5月の貿易統計。円安で金額はカバーしたが輸出数量の下落に歯止めがかからない

 財務省は6月19日、5月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し引いた貿易 …

shirakawae
インフレ目標を頑なに拒否する日銀。その主張に説得力がない本当のワケとは?

 日銀の白川総裁は12日都内で会見し、インフレターゲットの導入について「物価も賃 …

amari02
波紋を呼ぶ消費税還元セール禁止法案。政府がゴリ押しする真意は?

 政府が消費税還元セールの実施を禁止する法案を衆議院に提出したことについて、小売 …

thaad
最新ミサイル防衛システムTHAADの韓国配備で、TPPにも影響アリ?

 米国と韓国が、最新のミサイル防衛システム「THAAD」の韓国配備を決定したこと …

sakane
ドイツに学べというコマツ坂根会長の発言が際立つ。日本はドイツになれるのか?

 政府の産業競争力会議のメンバーであるコマツの坂根正弘会長の発言が最近注目を集め …

building03
GDP改定値は上ブレの可能性大。だが中身は公共事業と消費増税駆け込み需要?

 財務省は9月2日、4~6月期における法人企業統計を発表した。今回の数値は、消費 …