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上野千鶴子氏の発言をめぐって炎上騒ぎ。日本は本当に貧しくなってきたのかも・・・・

 

 日本におけるフェミニズムの先駆者の一人として知られる上野千鶴子氏の発言をめぐりネットで炎上騒ぎとなっている。一連の騒ぎは確実に劣化が進む日本社会をよく表している。

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 上野氏は中日新聞とのインタビューにおいて、衰退していく日本について「みんな平等に緩やかに貧しくなっていけばいい」と発言したところ、これがネットに取り上げられ、炎上騒ぎとなった。
 上野氏は、人口減少を食い止めることは不可能であり、人口を増やすには移民を受け入れるしかないが、日本で移民政策を実施するのは不可能と主張。このまま貧しさを受け入れるしか選択肢はないと述べている。

 炎上したのは、主に「皆で貧しくなればよい」という部分で、ネットの反応を見ると、主に世代間論争的な話になっている。コメント欄には「自分は逃げ切り世代のくせに若者には貧乏を受け入れろというのか」といった趣旨の発言が並ぶ。
 上野氏は元来、社会民主的な制度の構築を主張しているので、この発言は一種の皮肉と思われる。だが、ネットで上野氏を批判している層の多くは、上野氏がどのような人物なのかを知らない可能性が高く、単なる高齢者による逃げ切り発言と理解されているようだ。

 さらに滑稽なのが、本来の支持層であるはずのリベラル系の人たちからも批判されていることだ。上野氏は、日本は「単一民族神話が信じられてきた」ような国であり、「多文化共生に耐えられない」と主張。移民受け入れは不可能と一刀両断にしている。
 これも当然のことながら、日本社会の前近代性に対する強烈な皮肉なわけだが、リベラル系の人たちは「移民や多文化共生を否定するのか」と上野氏を厳しく批判している。

 上野氏の本意がどこにあるのかは何とも言えないが、客観的に見て、日本社会が「皆で貧しくなる」道を選択していることは事実である。

 人口が減っていく社会において、従来と同レベルの経済を維持するためには主に3つの選択肢がある。ひとつは女性の労働参加率を上げるというもので、もう一つは移民の受け入れ、そして最後は、AIなど高度なITの導入である。当然のことながら、すべての選択肢において雇用の流動化が伴う。
 だが、いずれの選択肢についても、日本人は極めて消極的であり、状況を改善しようという動きは見られない。

 トランプ政権の誕生で、世界経済は今後しばらく、好景気を維持しそうだ。この間に、日本が自立した個人による消費型経済を確立できなければ、上野氏の主張を聞くまでもなく、日本は本当に貧しい国になってしまうだろう。
 移民受け入れは無理という、多少、投げやりな発言が、フェミニストの口から発せられているという現実そのものが、日本の置かれた状況を的確に表している。

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