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EUがヒステリーを起こして格付会社に八つ当たり。規制強化を決定

 

 欧州において格付け会社に対する規制が大幅に強化されることになった。格付け会社への規制案を作成しているEU事務局と欧州議会の議員は27日、規制案の内容について合意した。近く正式に決定される運び。

 EU(欧州連合)では、格付け会社によるソブリン債の格下げが域内の財政危機を深刻化させたと主張するフランスやドイツの訴えを受け、格付け規制の強化が検討されていた。合意された内容は以下の通り。

 ・誤った格付けを行った場合、投資が格付け会社を訴えることができる権利を明確化する
 ・当事国が対策を準備できるよう、決まった期限内での格付けを義務化
 ・取引時間外の発表に限定

 だが市場関係者はこの規制案に懐疑的だ。そもそも格付けサービスが登場したのは、債券の発行体が信用できないことから、投資家が第三者の意見を求めたことがきかっけである。
 債券を発行する側(この場合は欧州各国)がきちんとした財政運営を行い、投資家に詳細な情報を開示していれば、本来、格付けなど必要ないのである。

 こういった規制がかけられれば、格付け会社側は訴訟リスクを恐れ、思い切った判断ができなくなる。どの会社も安全パイを狙い、絶対に安全と分かっている商品にしか格付けをしなくなる可能性が高い。投資家にとって本当に格付けして欲しい商品にはまったく情報がなく、発行した政府をただ信じるしかないという状況に陥ってしまう。

 世界の3大格付け会社のうち2社は米国の会社で、しかも市場で圧倒的なシェアを握っている。今回の規制は米国に対する欧州のヒステリーという意味合いが強い。だが政界的に見ても格付け会社に対する責任追及の声は大きく、この動きがさらに広がる可能性もある。
 だが格付け会社に対する規制が強化されたところで、リスクがなくなるわけはなく、市場の萎縮という弊害の方が顕著になることはほぼ間違いなさそうである。

 - 政治, 経済

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