ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

回転寿司のスシローが東証に再上場。円安で市場の競争環境は激化

 

 回転寿司最大手の「あきんどスシロー」が3月30日、東京証券取引所に再上場する。回転寿司の市場規模はここ10年で1.5倍に拡大しており、同社の時価総額は1000億円を突破するともいわれる。だが同業のかっぱ寿司が赤字に転落するなど競争環境は厳しい。

susiro


 同社は2003年に東証二部に上場したが、2009年に上場を廃止している。同社の経営権をめぐって創業家に争いが生じ、ここに牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーが介入。投資ファンドもスシローの争奪戦に参加することになり、最終的にゼンショーはスシローから撤退した。同社はその後、ファンドの傘下で経営を続け、現在に至っている。

 今回、同社が再上場するということは、一連の資本関係の整理がついたことを意味している。上場に合わせて全国農業協同組合連合会(JA連合)が40億円の出資を決定するなど、今後の事業展開に向けた動きが活発化している。

 回転寿司市場は数少ない成長市場だが競争も激しい。同業のかっぱ寿司は2016年4~12月期の決算において6億6200万円の営業赤字に転落。2017年3月期の見通しについても9億3400万円の営業赤字を見込んでいる。

 かっぱ寿司は、低価格路線を追求するため、積極的に輸入食材を活用していたが、円安で食材価格が急騰。原価率の調整に手間取り、その間に業績が悪化してしまった。立て直しのため路線転換を行ったものの、これが裏目に出た形だ。同社の四方田豊社長は退任し、同じくコロワイド出身の大野健一氏が社長に就任する。

 スシローは上場で資金を確保し、積極的な投資を行ってシェアをさらに拡大したい意向だ。当面のライバルはゼンショーが展開する「はま寿司」だろう。スシローの買収に失敗したゼンショーはその後、方針を転換し、自社の回転寿司チェーンである「はま寿司」に注力している。売上高ではまだ差があるが、店舗数はほぼ互角の状況にある。

 全世界的に魚介類は値上がりする傾向が顕著となっており、トランプ経済による円安がこれに拍車をかける可能性がある。スシローをはじめとする回転寿司各社は、シェア争いに加え、コスト面でも厳しい戦いを強いられるだろう。

 - 経済 , , ,

  関連記事

amakudari
公務員の天下りが大復活。日本経済の貧困化が進行している証拠?

 一時は癒着の温床として批判されてきた公務員の天下りが復活している。背景にあるの …

iwatakikuo
岩田日銀副総裁が物価目標実現の時期について実質的に前言撤回

 日銀の岩田総裁は2014年10月28日の参議院財政金融委員会で、物価目標の実現 …

kanntei
政府が解雇要件を緩和する方向で検討を開始。だが公務員だけは例外という大矛盾

 政府はこれまで法律や判例で手厚く保護されてきた労働者の解雇要件を大幅に見直す方 …

googlehead
グーグルの決算から垣間見る、インターネット経済の近未来

 ネット検索最大手の米グーグルは2014年1月30日、2013年10~12月期の …

bloomberg
ブルームバーグNY市長が英フィナンシャル・タイムズ買収を計画。名誉欲が出てきたか?

 ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が英国の名門経済誌フィナンシャル・ …

abeamari02
内閣府が来年以降の経済成長試算を提出。増税、低成長、物価高のトリプルパンチ?

 内閣府は8月2日に開催された経済財政諮問会議において、2013年度の経済見通し …

setsubitousi
設備投資の先行指標にちょっとした異変。設備投資復活か単なるブレか?

 アベノミクスにおける最大の懸念材料の一つであった企業の設備投資に変化の兆候が見 …

kurodasosai
トランプ氏の当選で日米金利が急上昇。シナリオが狂ってしまった日銀

 トランプ大統領の誕生をきっかけに、日米の債券市場で金利が急騰している。米国はす …

airasia
大国になりたい中国。旅行客のマナーの悪さに対して政府が対策に乗り出す?

 中国人旅行者のマナーの悪さは今に始まったことではないが、大国として相応の地位を …

jutaku02
全国で土地が余っている。都市部への人口集中を前提にした政策に舵を切る時期に

 政府は6月11日、平成25年版の「土地白書」を閣議決定した。人口の減少と高齢化 …