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トランプ大統領が目玉政策「オバマケア代替法案」の成立を断念。今後の政権運営に暗雲

 

 トランプ政権は、目玉政策のひとつであったオバマケアの代替法案について議会での成立を断念した。重要法案の成立に躓いてしまったことは、今後の政権運営に大きな影響を及ぼしそうだ。

obamacaretrump

 トランプ大統領と議会下院共和党は2017年3月24日、医療保険制度改革(いわゆるオバマケア)の代替法案の成立を断念した。トランプ氏は当初、オバマケアについては必ずしも反対というスタンスではなかった。だが共和党の正式な候補となってからは、共和党の保守派と歩調を合わせる形でオバマケア廃案を主張してきた。

 政権誕生後は、不法移民対策、オバマケア廃止、減税・インフラ投資というロードマップが組まれており、オバマケアが廃止できるかどうかは、トランプ大統領の指導力に対する試金石にもなっていた。

 政権側は、オバマケアの内容を一部残す代替案を提示。制度全廃を望む保守派と、保険未加入者の増加を懸念する穏健派とのバランスを取ろうとした。しかし、オバマケアが全廃できないことに対して保守派が強く反発。一方、穏健派は低所得層が保険に入れなくなる事態を懸念し、慎重な姿勢を崩さなかった。結局、ホワイトハウスと議会指導部は両者をうまく取り持つことができず、十分な賛成票を確保できなかった。

 トランプ氏はこれまで、数多くの反対意見が寄せられても、ツイッターの発言など自身のカリスマ性を使ってこれを押し返してきた。だが肝心の法案採決で十分な票を集められなかった現実は大きい。今後、抑制されてきたトランプ批判の声が共和党内からも高まる可能性は否定できない。

 政治的にオバマケア代替法案は重要な意味を持つが、市場が気にしているのは、今後、打ち出させる減税と巨額のインフラ投資の方である。今後、政権が経済政策に注力すれば大きな問題は起きないだろう。
 だが今回の失敗が、政権運営全体にマイナスの影響を及ぼすことになれば、経済政策に関する不確実性も高まってしまう。これまでの期待が大きかっただけに、市場の動揺は思ったより大きくなるかもしれない。

 これまで勢いで進んできたトランプ政権にとって、今回は初めての大きな挫折となる。トランプ氏はツイッターで「このままではオバマケアはパンクしてしまう」と新たな制度の構築に意欲を示しているが、実現の見通しは立っていない。一般に、大統領就任後100日間はハネムーン期間とされるが、100日を待たずしてトランプ政権は大きな試練を迎えようとしている。

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