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民泊法案が今国会で成立の公算。年間日数制限でビジネス目的は困難に?

 

 住宅の空き部屋を旅行者などに有料で貸し出す、いわゆる「民泊」の解禁を目的とした新しい法案が今国会で成立する見込みとなっている。法案が成立すれば民泊が正式に認められることになるが、年間宿泊日数に制限が加えられるなど、事業目的の民泊を制限する内容も含まれている。

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 政府は3月10日、住宅宿泊事業法案(民泊新法)を閣議決定し国会に提出した。民泊はシェアリング・エコノミーを代表するサービスのひとつであり、日本でもエアビーアンドビーを中心に複数の民泊仲介サイトが立ち上がっている。エアビーには、2015年時点において、すでに2万件を越える物件がサイトに登録されていることを考えると、社会的なインフラのひとつに成長しているといっても過言ではない。

 実際、日本では民泊はインフラとして期待されていた面があった。日本は先進諸外国と比較して定常的に外国人を受け入れる宿泊施設が少なく、東京オリンピックではホテル不足が懸念されていたからである。

 だが民泊が普及するにつれて多くの問題が発生するようになってきた。顧客から代金を取って宿泊させるには、旅館業法に基づく許可が必要となるが、民泊ホストのほとんどはこうした手続きを経ていない。民泊を宿泊施設とみなすなら、無許可営業ということになってしまう。旅館業法の許可を得るためには相応のコストがかかることから、旅館業界が顧客を奪われるとして反発を強めていた。

 また一部のマンションでは、住民と宿泊客の間でトラブルが発生しており、部屋の持ち主と管理組合との間で訴訟になるケースも出てきている。

 こうした状況に歯止めをかけ、民泊の利用について明確なルールを定めようというのが、今回の法案提出の目的である。新しい法案では、民泊を正式に認める代わりに都道府県への届けと苦情処理などへの対応を義務付けた。一方で、民泊の位置付けについて、あくまで住宅の一室を提供するものとし、年間の宿泊日数を180日以内に制限している。地方自治体が条例によって営業日数をさらに制限することも可能だ。

 つまり民泊は正式に認めるものの、あくまで自身の住宅の部屋を提供することを大前提にするという内容である。実際、年間のうち半分以下しか稼働できないということになると、事業目的の民泊の多くは機能しなくなると見る関係者は多い。

 具体的な影響については、実際に法律が施行されるまでは何ともいえない。だがエアビーでは、日本において民泊仲介以外のサービスを拡大するとしている。少なくとも同社は、日本での事業の先行きについてあまり楽観視していないようだ。

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