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日本郵政が豪子会社で4000億円の減損。いきなり躓いた成長シナリオ

 

 日本郵政が買収したばかりの豪物流子会社について最大で4000億円の減損を計上する方向で調整を進めている。国内市場が頭打ちとなる中、今後の成長シナリオの中核となっていた海外戦略は最初から躓く結果となった。

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 減損の対象となるのはオーストラリアの物流子会社トール・ホールディングス。日本郵政は2015年5月、6200億円もの費用を投じて同社を買収したが、のれん代が4700億円に達するなどあまりにも割高であるとの指摘が一部からあった。買収した時点でのトール社の業績は売上高が約8400億円、純利益が約280億円しかなく、買収費用を回収するには単純計算で20年以上の歳月が必要となる。

 だが上場を控えた同社には多くの期待が寄せられており、とりわけ海外戦略は今後の成長の柱とされた。このため買収価格の高さについてはあまり問題視されずに上場を果たしたが、結局、買収から2年も経たずに巨額減損に追い込まれた。

 同社は、計上されている約4000億円ののれん代を一括して償却する方針といわれる。当初は20年間の均等償却だったが、ここに来てほぼ全額償却となったのは、トール社の業績が急激に落ち込んでいるからだ。
 2016年4~12月期におけるトール社の営業利益は買収時と比較すると7割以上も減少している。このままでは買収時に想定した事業計画を達成することは困難であり、結果として、のれん代についても全額償却をせざるを得なくなった。

 もっとも日本郵政は15兆円の自己資本があり、今回、4000億円の減損を計上したところで財務的に大きな問題にはならない。だが同社が上場するにあたっては、今後の成長見通しが立たないまま、政府の財源確保という目的からスケジュールを急いだという経緯がある。
 今後の成長シナリオとして有力視されていたのが海外戦略であり、トール社の買収はそのモデルケースとなるはずだった。その意味では、同社の成長シナリオは最初から躓いた格好であり、今後の株価形成にはかなりのマイナス材料となるだろう。

 また損失の原因が海外企業の巨額買収であるという点も見逃せない。このところ不正会計が問題となっている東芝も、事の発端となったのは、米国の原子力企業ウェスチングハウスを高値で買収したことである。

 東芝に続いて日本郵政でも海外巨額買収が失敗したということになると、日本企業による海外M&Aに対しては市場から厳しい視線が注がれることになる。もし一連の出来事によって日本企業が海外展開に躊躇するようになれば、いよいよ縮小均衡の袋小路に迷い込むことになる。

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