ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

仏大統領選では独立候補のマクロン氏が勝利。欧州の景気拡大も後押しか

 

 フランス大統領選は事前の予想通り、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン氏が極右候補であるマリーヌ・ルペン氏を破って勝利を収めた。マクロン氏は39歳と若く、フランス史上最年少の大統領が誕生することになる。

makuron

 フランスの大統領選は5年に1度行われ、1回目の投票と決戦投票の2段階で実施されるのが特徴となっている。1回目の投票で過半数を獲得する候補がいれば、決選投票を経ずに大統領が誕生するが、現在の選挙制度が確立した1965年以降、1回目の投票で大統領が決まったケースはない。

 1回目の投票では、マクロン氏が24%、ルペン氏が21%、中道右派のフィヨン氏が20%、左派のメランション氏が20%という結果だった。普通に考えれば、右派と左派の票がマクロン氏に回る可能性は高く、マクロン氏が圧勝することになる。
 ただ極右である国民戦線の候補がこれだけの得票率を得たことはなく、近年の風潮を考えた場合、決選投票で何が起こるかは分からない。このため市場ではマクロン氏勝利を予想しつつも警戒を解くことができない状態が続いていた。

 結果は事前の予想通りで市場には安心感がひろがっている。マクロン氏は基本的に親EU路線を掲げており、フランスの基本政策に大きな変更はないだろう。

 ただ、独立候補で議員経験もないマクロン氏が勝利できたのは、既成政党に対する国民の反発が大きかったからであり、これはウラを返せば、マクロン氏に対して過大な期待が寄せられた結果でもある。
 マクロン氏は選挙戦に際して、あらゆる層の票を取り込む総花的な政策を掲げてきた。実際に政権を運営する段階になれば、利害の調整に手間取る可能性は高く、国民の高い期待をどの程度、継続させられるのかが今後の政権運営のカギとなるだろう。

 欧州は今年前半からようやく景気が上向きつつあり、これもマクロン氏に有利に働いた可能性が高い。政治的手腕が未知数とはいえ、親EUを掲げ、市場との親和性が高いマクロン氏の大統領就任は、グローバル経済にとって確実にプラスの材料となるだろう。

 - 政治, 社会 ,

  関連記事

misutoraru
ロシアがフランスからの揚陸艦購入を正式に断念。北方領土付近は現状維持へ

 ロシアがフランスから購入する予定だったミストラル級強襲揚陸艦について、ロシア政 …

nobelprize
批判などどこ吹く風。臆面もなくEUにノーベル平和賞を贈る北欧人のしたたかさ

 ノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロの市庁舎で開かれた。今年 …

doseikon
仏で大規模な同性婚反対デモが発生。その活動は世代間闘争の様相を呈してきている

 フランスの上院は4月12日、同性婚を認める法案を賛成多数で可決した。2月には下 …

abesingapore
安倍首相が記者出身のスピーチライターを登用する本当の理由

 安倍政権は対外的な情報発信能力の強化を目指しており、首相は海外でのスピーチを重 …

abe
安倍総裁が金融政策に関する発言を全面撤回。無邪気な政治家が空けたパンドラの箱

 自民党は21日、次期衆院選の政権公約を正式発表した。この席で安倍総裁は、自身の …

soudensen
景気は回復しないのに電力など生活必需品は次々値上げ。これではスタグフレーションだ

 アベノミクスによる株高で日本経済は楽観ムードに包まれているが、一方で経済成長な …

narita
成田空港が着陸料を値下げ。それでも諸外国の2倍で、時すでに遅し

 成田国際空港会社は13日、来年4月から国際線の着陸料を平均で5.5引き下げると …

contena03
日中韓FTA交渉がスタート。だが日本に続き韓国もTPP参加に傾いており状況は微妙

 日本、中国、韓国の3カ国は3月26日、韓国のソウルで自由貿易協定(FTA)締結 …

kokubohakusho
中国が国防白書を発表。その内容を日本人はどう解釈すべきか?

 中国政府は4月16日、国防白書を発表した。アジア太平洋地域に対する軍事的シフト …

ginkou
日本ではなぜ借金の個人保証がなくならないのか?

 民法の抜本改正を検討している法制審議会(法務大臣の諮問機関)が、中小企業融資に …