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韓国大統領選は文在寅氏勝利で9年ぶりの革新政権。盧武鉉時代の再来となるか?

 

 2017年5月9日に投開票が行われた韓国大統領選は、大方の予想通り「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補が当選を果たした。文氏は盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の側近だった人物であり、一部からは盧武鉉時代の再来になるとも指摘されている。

munjein

 今回の大統領選は、文氏に加え、中道系である「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)氏、保守系の旧与党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏などが立候補していた。事前の予想では、文氏と安氏の一騎打になるかと思われたが、安氏の得票は意外と伸びなかった。韓国の中央選挙管理委員会によると、各候補の得票率は文氏が41%、洪氏が24%、安氏が21%だった。

 文氏は盧武鉉氏と同じく人権派弁護士出身で、朴槿恵前大統領の罷免を強く要求してきた人物である。文氏がこれだけの得票を得たということは、朴政権に対する批判が根強いことをうかがわせる。

 選挙期間中から文氏は正義の実現を強く訴えてきたほか、北朝鮮政策についても一貫して融和的な姿勢を強調してきた。このため一部からは、文政権は、反財閥、反米に傾くのではないかと懸念する声が上がっているが、韓国が置かれた現状を考えると、極端な政策転換は起こらない可能性が高い。

 韓国経済は財閥による影響が大きく、これが格差問題などの元凶ともなっている。だが当面の韓国経済が、財閥最大手サムスン電子の業績に依存していることは誰の目にも明らかである。サムスン電子の2016年12月期の業績は好調で、株価も最高値圏にある。

 朴氏のスキャンダルに伴い、サムスンの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長(49)が逮捕されているが、今のところ同社の経営に大きな影響は出ていない。文氏がサムスンを標的に反財閥的な政策を推し進めた場合、同社の業績やひいては韓国経済にも影響が出てくる可能性がある。これは雇用創出を打ち出す文氏にとって得策ではなく、極端な反財閥政策は進めにくいというのが実情だ。

 最大のリスク要因は北朝鮮政策で米国と対立することだが、幸い、米朝関係は極端な緊張状態から、対話を探る局面にシフトしつつある。
 文氏は盧武鉉政権時代に北朝鮮政策に関する米国との窓口を経験しており、米国にもパイプがある。これがうまく作用すれば、親北のスタンスもそれほど悪影響にはならないかもしれない。

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