ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

消費者庁がTV通販会社に改善命令。横並びすら出来ないマスコミ各社のお粗末報道

 

 消費者庁は29日、健康食品「飲まなく茶」を販売しているネイチャーウェイ株式会社(本社:東京都目黒区、代表デスモンド・ブレナン)に対し、特定商取引法違反(債務の履行拒否)にあたるとして、返金に応じるよう改善命令を出した。

 これは同社が「30日以内なら返金可能」とTVで宣伝しておきながら、実際に返金を申請すると、TV画面では説明していない別の条件(空き箱送付が必要)があるとして、一部の顧客の返品に応じなかったというもの。同庁は、返金条件を明示するよう口頭で指導したが、7割以上の放送で条件は表示されなかったという(写真は返金条件が表示されていないTVの画面)。

 これは消費者庁がプレスリリースを提供したいわゆる「発表モノ」。
 当局のタレ流しなのでジャーナリズムの記事としてはもっとも初歩的なレベルのものである。
 ネットでプレスリリースは開示されているので、本来であれば通信社のような事実関係だけをカバーする報道機関のみが報じればよい話である。だが日本のマスコミは記者クラブに代表されるように、当局の発表をそのまま宣伝するのがお仕事。この件についても各紙がわざわざ報じている。
 ところが同じ発表をネタにしているというのに、記事の内容が微妙に違う。

 読売は「代金を全額返金すると宣伝しながら、返金条件の空箱が添付されていないなどとして返金に応じなかった」と書いている。時事は「全額返金できるなどと宣伝していたが、実際は「空き箱が必要」などの条件を新たに持ち出し応じないケースがあった」としている。毎日は「返金を求めた客に「空箱がないと返金できない」などと対応していた」となっている。

 実際は「TV画面には表示されていなかった条件を持ち出して返金に応じなかった」というのが正しい。細かい違いかもしれないが、行政指導という権力が行使されたわけであり、なぜそれに至ったのかという理由は正確に告知されなければならない。逆に、官庁がむやみに権力を行使していると誤解されるようなこともあってはならない。
 残念ながら消費者庁の発表を正確に報道しているところはなかった。時事のニュアンスが一番近いかもしれないが、正確ではない。

 日本のマスコミは官庁や企業の発表の垂れ流しで、独自の調査報道が出来ていないという批判がある。だが事態はもっと深刻で、単なる発表モノの垂れ流し記事さえも、正確な記述ができていないようである。これでは調査報道など100年早いということにもなりかねない。

 - マスコミ, 政治

  関連記事

abemerukeru
安倍首相が独、英に財政出動を働きかけるもゼロ回答。結論はサミットに持ち越し

 安倍首相は2016年5月4日、ドイツを訪問しメルケル首相と首脳会談を行った。最 …

ciafurin
さらに混乱するCIA不倫問題。政治謀略か?軍人に群がる肉食系女子の争いか?

 米国CIA長官の不倫疑惑がワケの分からない展開になってきた。ペトレアスCIA長 …

obama00002
財政の崖をギリギリで回避。だがマーケットはとっくに織り込み済みで驚きはなし

 オバマ大統領と与野党の指導部は、いわゆる「財政の崖」の回避に向けた協議でほぼ合 …

Ronald Reagan02
横須賀に後継空母の配備が正式決定。日本から空母がいなくなる事態は何とか回避

 米海軍は、神奈川県横須賀基地に配備している第七艦隊の主力空母「ジョージ・ワシン …

kerryohki
ケリー国務長官のアジア歴訪。カギとなったのはやはり中国との会談

 米国のケリー国務長官は4月12日から15日の日程で韓国、中国、日本を相次いで訪 …

nichukanfta
日中韓FTA交渉の第2回会合。すでにTPPに参加した日本は有利な立場に

 日中韓の3カ国で貿易や投資の自由化を目指す、日中韓自由貿易協定(FTA)交渉の …

jieitai
軍縮に走る欧米と火薬庫になるアジア。自衛隊の装備は質的に向上しているのか?

 米国や欧州が軍事費の大幅な削減を進める一方、アジア地域の軍事費が増大しているこ …

shutoko02
首都高改修の空中権活用。良案だが日本のインフラ問題を根本解決できるわけではない

 政府の経済財政諮問会議において、老朽化した首都高速道路の改修に民間資金を活用す …

wavii
マスコミの記者も失業?グーグルやヤフーがニュース要約技術などを次々に買収

 米グーグルが、ニュース要約アプリを手掛ける米Waviiを3000万ドル(約29 …

tokyowan
GDPギャップは依然マイナスのまま。供給過剰な状態は本当に一時的なものなのか?

 内閣府は8月22日、4~6月期におけるGDPギャップがマイナス1.9%になった …