ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

ソフトバンクが純利益1兆円超え。TモバイルUSも再度買収が可能に?

 

 ソフトバンクの純利益が1兆円を超えた。投資先の売却益が加算された結果だが、何と言っても買収したスプリントの業績が上向きつつあることが大きい。スプリントの業績を完全に回復させることができれば、同社はもう一段の成長が可能となる。

softbankgacho

 ソフトバンクは2017年5月10日、2017年3月期の決算を発表した。売上高はほぼ横ばいの8兆9010億円だったが、営業利益は前年比12.9%増の1兆259億円、当期純利益は1兆4263億円となった。同社の純利益が1兆円を超えるのは初めて。

 営業利益よりも純利益が大きいのは、ゲーム会社であるスーパーセルの売却益などを計上したためだが、営業利益の1兆円超えは本業の業績が上向いていることによるもの。国内の通信事業が好調に推移したことに加え、最大の懸案事項だった米スプリントの業績が改善していることが大きく貢献した。

 スプリントは米国3位(現在は4位)の通信会社で、ソフトバンクが2013年に216億ドル(当時のレートで1兆8000億円)で買収した。当初はスプリントの買収後、第4位の通信会社であるTモバイルUSを連続して買収し、業界トップのベライゾンとAT&Tに肩を並べるというシナリオだった。

 スプリントは買収された当時、契約者の減少に歯止めがかからず赤字を垂れ流す状態だった。ソフトバンクは早期にリストラを完了させる予定だったが、予定通りには進まず、これがソフトバンク全体の足を引っ張っていた。またTモバイルUSの買収についても、米当局が承認せず、一旦は白紙撤回している。

 だがここにきてようやくスプリントの業績が上向き始めた。2017年1~3月期の売上高は前年同期比5.8%増の85億3900万ドル、最終損益は2億8300万ドルの赤字だが、赤字幅は前年同期比で半減している。このまま順調に業績を伸ばせるのかはまだ分からないが、以前と比較して状況が良くなっていることは間違いない。

 また米国でトランプ政権が誕生したことで、TモバイルUSを再度買収できる可能性が見えてきた。ソフトバンクによる米国経済への貢献についてトランプ氏が高く評価しており、司法省のスタンスが変わる可能性が高まっている。

 スプリントの完全黒字化とTモバイルUSの買収に成功した場合、ソフトバンクは米国市場における有力な通信会社に変貌することになる。この意味は大きいだろう。

 - 経済 , ,

  関連記事

nichigin04
家計の金融資産は過去最高。だがその恩恵のほとんどは以前からの株式所有者?

 日銀は2014年12月18日、2014年7~9月期の資金循環統計を発表した。9 …

kanntei
政府が2013年度のGDP見通しを上方修正。だが物価目標をめぐる政策の矛盾が露呈

 政府は28日に開催された臨時閣議で、2012~13年度の経済成長率見通しを正式 …

businessman04
労働者の賃金がさらに減少。賃上げ実施後もあまり期待できない理由とは?

 厚生労働省は2014年2月20日、2013年賃金構造基本統計調査の結果を発表し …

nichigin03
日銀が再度物価目標を先送り。だが足元では別のインフレ・リスクが・・・

 日銀は2017年7月20日に開催した金融政策決定会合において、2%の物価目標を …

abeputin201612
大方の予想通り、ゼロ回答に終わった日露交渉。3000億円だけが一人歩き

 安倍首相とロシアのプーチン大統領は2016年12月15・16日、日本において首 …

bitcoin
日本でもビットコインがようやく準通貨として認定。利用者保護や市場拡大に期待

 ビットコインなどインターネットで流通する仮想通貨について、「モノ」ではなく「通 …

kodomonote
政府が子供の貧困対策を本格化。だが、支援は民間による基金

 政府が貧困家庭の子供に対する支援の強化を検討している。企業や個人に寄付を呼びか …

ketusgo
新経済連盟の三木谷代表が提言書を提出。英語などグローバル色を強く打ち出す内容

 新経済連盟の三木谷浩史代表理事は4月17日、甘利明経済財政・再生相と会談し、新 …

Conde Nast Building
ニューヨークの景観論争で浮き彫りになった?日本の規制の実態

 ニューヨークの超高層ビルの看板をめぐってちょっとした論争が起こっている。場所は …

watsonibm
人工知能の本格普及が始まる兆し。これからの時代、知的職業はどう変わるのか?

  米IBMは2014年10月8日、同社の人工知能「ワトソン」を本格普及させるた …