ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

見送りの可能性も出てきた受動喫煙防止法案。日本は2周回遅れへ

 

 今国会での審議が予定されていた受動喫煙防止法案の提出が見送られる可能性が高くなってきた。小規模な飲食店などからの反発が根強く、自民党内で意見がまとまらないことが主な理由。

tabakohaian

 政府は、東京オリンピックの開催を控え、公共の場所を原則禁煙とした本格的な受動喫煙対策の導入を検討してきた。国際オリンピック委員会や世界保健機関は開催国に対して「たばこのない五輪」を求めていますが、日本の対策は先進国で最低レベルという状況が続いている。

 ところが、公共の場所を原則禁煙とする受動喫煙防止法案の概要が示されると、自民党内から反対の声が続出。与党内で意見の取りまとめができておらず、場合によっては法案提出が見送られる可能性も出てきた。

 国内の喫煙率は20%となっており、大多数の国民はたばこを吸わないのが実情である。しかも諸外国の事例では、全面禁煙によって飲食店の売上高は減少していない。このような状況においても、法案を提出できないということになると、何のための国会なのか存在意義が問われることになるだろう。

 こうしている間にも時代は大きく動いている。外資系のたばこメーカーであるフィリップモリスは加熱式たばこ「iQOS」を投入し、急速に売り上げを伸ばしている。加熱式タバコは、直接、火を付ける従来の紙巻きたばこに比べて、匂いなど周囲に対する影響が少ないとされている。

 加熱式たばこの影響がどの程度なのかはまだよくわかっていないが、諸外国では全面禁煙はすでに当たり前のことであり、社会として、こうした新しいたばこをどう扱っていくのかという段階に議論はシフトしている。公共の場を禁煙にするのかといったレベルで議論しているのはもはや日本くらいといってよいだろう。

 また、年齢別の喫煙率を見ると、20代の喫煙率は年々低下が進んでおり、若い人ほどたばこを吸わないという傾向が顕著となっている。今は喫煙を目的に積極的に来店する中高年が存在しているが、10年先どうなっているのかは分からない。
 また近年の若年層はウーバーイーツなどネットを使った飲食店の宅配サービスの利用にも積極的であり、外食のニーズそのものが今後減っていく可能性すらある。

 禁煙にすると客足が減るといったレベルの議論は、もはや2周回遅れなのだが、永田町という前近代的ムラ社会では、こうした認識は存在しないようだ。

 - 政治, 社会

  関連記事

nsa
米国が友好国も盗聴していたという事実に欧州各国が反発。だがこれは諸刃の剣でもある

 米国家安全保障局(NSA)による監視問題で、英ガーディアン紙は6月30日、元C …

yukihatoyama
鳩山氏の暴走で浮き彫りになる、日本人にとっての「法の支配」

 クリミアを訪問中の鳩山由紀夫元首相は2015年3月12日、旅券を返納させるべき …

ryosinei
香港の民主化を求める抗議活動が拡大中。中国は一歩も引かない構えだが

 香港の選挙制度改革を求める抗議活動が予想外の広がりを見せている。当初、セントラ …

no image
資産家夫婦殺害事件とJASDAQ粉飾疑惑企業を結びつける点と線

 スイス在住で日本に一時帰国していた資産家夫婦が行方不明になっている事件で、2人 …

masuzoe03
オリンピック利権に好都合だった舛添氏の辞任で、日本経済の不確実性は高まった

 東京都の舛添要一知事は2016年6月15日、6月21日付けの辞職願を都議会に提 …

monka
文部科学省が特定大学に研究費を重点助成。旧帝大がさらに有利に

 文部科学省は来年度から大学に対する新しい研究助成の制度を開始する。研究内容ごと …

sensha
11年ぶりに防衛費が増額。だが気になるのは自衛隊の人件費比率の増加

 政府・自民党は2013年度予算の防衛費について、11年ぶりに増額する方針を固め …

abetoben
アリバイ作り?増税論への牽制?消費増税に関する有識者ヒアリングを8月に集中開催

 内閣府は8月20日、消費税引き上げの影響について有識者からヒアリングする会合を …

abeamari
産業競争力会議がテーマ別会合をスタート。雇用流動化や企業再編は実現できるのか?

 政府の産業競争力会議3月6日、テーマ別会合の議論をスタートした。この日は「人材 …

saujisaruman
サウジアラビアのサルマン国王が1000人を引き連れて異例の来日。背景には強烈な危機感

 サウジアラビアのサルマン国王が2017年3月12日、来日した。13日には安倍首 …