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英国の総選挙。まさかの過半数割れだがマーケットには案外好都合?

 

 当初、与党保守党の圧勝が予想されていた英国の総選挙は予想外の結果となった。保守党は過半数を確保することができず、EU(欧州連合)の離脱交渉の行方にも暗雲が漂い始めている。

meisousenkyo

 英国の総選挙は5年に1回実施されることになっており、次回の総選挙は2020年の予定だった。だが、EU離脱の国民投票を受けて選出されたメイ首相は、あえて総選挙を前倒しで実施し、党内基盤を確実にした上でEUとの交渉に臨む算段だった。

 当初は与党圧勝と思われていたが、選挙活動が進むにつれて野党労働党が躍進。結果的に改選前の議席である330を下回り、単独過半数である326も割るという結果に終わった。

 労働党は、EUから離脱についてハード・ブレグジットではなく、EUとの関係を可能な限り維持するソフト・ブレグジットを主張している。現実にはEU側の出方があるので何ともいえないが、少なくともハードブレグジット前提の交渉スタンスは変更を余儀なくされる可能性が高い。

 今回の選挙結果を受けてポンドは大幅安となったが、長期的に見た場合、必ずしも市場にとってマイナスとは限らない。仮に与党が路線変更を行ってソフト・ブレグジットを前提に交渉を進め、EU側がこれを受け入れた場合、むしろマーケットには好都合かもしれない。

 市場関係者はむしろ労働党が強く主張してきた大学無償化など、財政支出を伴うリベラルな政策の行方に注目している。今回、保守党が敗北したのはブレグジット問題というよりも、高齢者の社会保障負担の増加など、緊縮財政に対する国民の反発が大きいといわれる。

 英国は保守党政権のもと、財政状況を大きく改善させてきたが、今後は政府債務が増加する可能性も出てきたことになる。その点では英国の先行きに対する不透明感は高まったといってよいだろう。

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