ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

FRBが年内の資産縮小開始を表明。米国の量的緩和策は完全終了フェーズへ

 

 FRB(連邦準備制度理事会)が市場の予想通り、再利上げと年内の資産圧縮開始を決断した。インフレ率の低下といった課題はあるが、バランスシートの縮小に向けて本格的に動き出すことになる。

ieren201409

 FOMC(連邦公開市場委員会)は2017年6月14日に行われた会合で、3カ月ぶりの利上げを決定した。利上げ幅は0.25%で、現在の経済状態が続けば年内にもう1回利上げが実施される可能性が高い。

 FRBは、利上げの決定とは別に、保有資産の圧縮を年内に開始することを正式に表明。将来のロードマップを示した。それによると、資産の圧縮は国債などの保有資産を市場で直接売却するのではなく、満期を迎えた債券の再投資を減額することで段階的に資産縮小を実施していく。

 資産減額開始時の圧縮規模は米国債が月60億ドル、MBS(住宅ローン担保証券)は月40億ドルとし、3カ月ごとに引き上げを行い、1年後には国債が300億ドル、MBSを200億ドルにする。

 今後は、利上げと資産圧縮が同時に行われるので、市場に対しては二重に金融引き締めの圧力がかかることになる。これについてFRBのイエレン議長は、圧縮規模は小さく、将来の金融政策の足かせにはならないとの見解を示しており、市場もほぼ同じような認識を持っている。
 このところインフレ率が低下しているなど懸念材料はあるものの、金融引き締めはシナリオ通り実施されるとの見方が大半だ。

 FRBの保有資産はリーマンショック以前は1兆ドルを切っていたが、現在は4.5倍に肥大化している。リーマンショック以前にまで戻すのは現実的ではなく、FRBも市場の状況に応じた柔軟な資産規模を模索している。
 今後の経済成長や金融市場の動向によっては、資産規模をある程度の範囲で維持するという選択肢も十分にあり得る。これからの数年は、危機前の水準に回帰するということではなく、新たな資産規模の水準を模索する流れになりそうだ。

 いずれにせよ米国が資産縮小に動き出したということは、資産拡大に邁進する日銀とのスタンスの違いが明確になったことを意味している。日本では量的緩和策の効果は出ていないが、そろそろ日銀にも資産縮小の圧力がかかりはじめるかもしれない。

 - 経済 , , ,

  関連記事

eads
欧州の防衛大手EADSが大リストラ。防衛産業もIT化の流れには逆らえない

 エアバス社の親会社で、欧州の航空宇宙最大手のEADSは2013年12月9日、宇 …

no image
人民元が対ドルでじわじわ上昇。中国当局が米側に譲歩か?

 この1ヶ月、対ドルでの人民元の上昇が続いている。7月に1ドル=6.3967元の …

bukkajoushou
物価は4カ月連続で上昇。値上げは全品目に波及しつつあるが、これをどう評価すべきか?

 総務省は10月25日、9月の消費者物価指数を発表した。代表的な指標である「生鮮 …

trumpkanzei
トランプ氏が国境税に言及。米国は超大国なので意外と効果を発揮する可能性も

 トランプ次期大統領は2017年1月11日、選挙後初の記者会見を開催した。各国の …

no image
シャープは初めての経験に右往左往。コンサルはやりたい放題

 シャープは現在、金融機関からの支援を獲得するために、リストラ案を策定している真 …

nenkin
年金運用益が過去最高。だが運用原資は毎年4兆円ずつ減少しているという事実

 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は7月2日、2012年度の運用状況を …

nichigin03
日銀が再度物価目標を先送り。だが足元では別のインフレ・リスクが・・・

 日銀は2017年7月20日に開催した金融政策決定会合において、2%の物価目標を …

ichimanen
内閣府が中長期財政試算を発表。前回試算よりも状況が改善している理由

 内閣府は2014年1月20日、経済財政に関する中長期の試算を公表した。国際公約 …

imf201404
米国依存が鮮明になったIMFの最新世界経済見通し。日欧の量的緩和策が次の焦点に

 IMF(国際通貨基金)は2014年4月8日、最新の世界経済見通しを発表した。2 …

abekaiken
設備投資が回復せずアベノミクスは完全に手詰まり状態。原点回帰しか方法はない?

 内閣府は6月12日、4月の機械受注統計を発表した。民間設備投資の先行指標といわ …