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ロシアが北方領土で韓国企業と共同事業。ロシア側に領土問題解決の意思はあるのか?

 

 北方領土の色丹島で、ロシア企業が外国企業と共同で建設事業をスタートさせたことが明らかとなった。安倍政権はロシアとの友好関係を重視し、ロシアに強くラブコールを送っているが、先方の日本に対するスタンスはドライだ。

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 サハリン州のコジェミャコ知事は、NHKの取材に対して、色丹島における桟橋建設事業に関して、韓国企業と共同で工事を開始したことを明らかにした。
 日本とロシアは北方領土における共同経済活動の実現に向けて調査活動を行う予定となっているが、ロシア側は日本以外の企業も参加させたいとの意向を示してきた。

 現在、日本とロシアは領土問題を抱えており、その解決に向けて交渉が行われている最中である。ロシア側には、日本とロシア以外の第三者を北方領土問題に巻き込むことで、日本とロシア以外にも利害関係者が存在することを既成事実化する狙いがあると考えられる。
 外国企業を参加させるというロシア側のスタンスは、日本の立場を完全に無視したものといってよいだろう。

 安倍政権はロシアとの友好関係を重視しており、ロシア側に対して領土問題を解決したいとの熱いラブコールを何度も送っていた。

 日本側の強い要請に応える形で、2016年12月に日露首脳会談が行われたが、ロシア側のスタンスは強硬だった。首脳会談の地ならしとしてロシアを訪問した岸田外務大臣に対してプーチン大統領は意図的に2時間も遅刻した上、会談はわずか30分で終了。
 ラブロフ外相は何度も「(領土問題について)両国間の立場には隔たりがある」発言し、領土問題の早期解決は難しいとの考えを示した。

 後日開催された首脳会談では、3000億円の経済協力については合意に達したものの、肝心の領土問題についてはまったくのゼロ回答に終始。経済協力についても、今回のロシア側の出方を見れば、日本にとってメリットがあるとは限らないことが分かる。

 ロシアと日本は基本的に利害が対立する国であり、ロシアに接近するメリットはそもそも薄い。しかも、北方領土はロシアが不当に占拠したものであり、原理原則からすれば日本側に譲歩する余地はない。
 日本側から首脳会談の開催を依頼してしまうと、当然、交渉の立場は弱くなる。成果を急ぐ余り、逆に不利な状況になってしまてはまさに本末転倒である。

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