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財務省が幹部人事を発表。ようやくイレギュラーな人事が収束に向かう?

 

 財務省は2017年7月5日、幹部人事を発表した。事務次官だった佐藤慎一氏の後任には福田淳一主計局長が昇格する。福田氏の後任となる主計局長には岡本薫明官房長が就任した。財務官の浅川雅嗣氏は留任で3年目となり、国税庁長官には佐川宣寿理財局長が就任する。

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 このところ財務省の人事は異例続きとなっていた。その原因は、消費増税の司令塔であった勝栄二郎元次官(75年入省)が予定よりも長く次官に就任したからである。
 財務省をはじめとする中央官庁は、組織のピラミッドを維持するため、同期入省の人材が徐々に少なくなるよう調整されていく。次官の就任期間がイレギュラーな形になると、その後の人事にも影響を及ぼすことになる。

 勝氏の後任には、真砂靖氏(78年)が就任し、1年で退任。その後は79年入省の木下氏、香川氏、田中氏が連続して次官に就任するという珍しい布陣となった。また、これまで次官を務めていた佐藤氏(80年)も、主税局長からの次官昇格という珍しいパターンだった。

 勝氏以降、人事がかなり乱れたが、ここで佐藤氏が1年で退任し、82年入省の福田氏が次官に就任すれば、人事の混乱はかなり収束することになる。

 この流れで行くなら、次の次官の最有力候補は主計局長の岡本薫明氏だろう。岡本氏は、秘書課長や主計局次長、官房長など、花形ポストをすべて経験しており、経歴的には申し分ない。
 岡本氏が1年で退任した場合、首相秘書官の中江元哉氏(84年)などの可能性が出てくるが、岡本氏が続投で2年となった場合には、85年組から次官が出る可能性もある。

 この期には、官房長になった矢野康治氏、総括審議官になった可部哲生氏、主計局次長から国税庁に出向(次長)した藤井健志氏などがいる。藤井氏は文書課長などを歴任しており、経歴的にはエース級だが、国税庁への出向がどう作用するのか現時点では何とも言えない。

 一部報道では、学校法人「森友学園」に対する国有地売却問題で記録提出を拒み続けた佐川理財局長が国税庁長官に転出となったのは「栄転」であるとして批判されている。だが、理財局長から国税庁長官への転出は既定路線であり、財務省の人事パターンとしては、次官就任の可能性はなくなったとの解釈になるので、栄転とは呼べないだろう。

 財務省は、一時、安倍政権と関係がギクシャクし、結局消費税の増税も果たすことができなかったが、とりあえず人事を定常状態に戻し、仕切り直しとなった。ただ、財政再建目標撤回の議論が与党内からも出てきており、依然として環境は厳しい。当面は、政局とのにらみあいということになるだろう。

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