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ビットコインの分裂騒動は、真の金融インフラになれるのかの試金石

 

 仮想通貨ビットコインが8月1日に分裂するのではないかという騒動が発生している。最終的には問題なく騒動が終結するとの見方が大半だが、事業者の中には取引の一時停止を検討するところも出てきている。

bitcoin

 ビットコインは、一般的な既存通貨と異なり、通貨を一元的に管理する政府や中央銀行は存在していない。ビットコインの管理は取引の記録を行う複数の事業者が全世界に分散する形で実施されている。

 現在のビットコインの仕様では、1秒間に数十万件の取引しか成立させることができないが、ビットコインが急速に普及してきたことで、決済の処理に時間がかかるという問題が発生している。今後、ビットコイン市場がさらに拡大した場合には、処理が追いつかなくなるのはほぼ確実であり、ビットコイン業界では仕様変更が検討されてきた。

 だが新しい仕様では、記録業者の利益が少なくなるとして、一部の事業者これに反発し意見がまとまらない状態となっている。最悪の場合、新しい仕様がスタートする8月1日にビットコインが分裂してしまう可能性が出てきている。

 利用者の利便性を考えた場合、処理能力を高めた仕様にするのが望ましく、何らかの合意が成立するとの見方が大半だが、集中管理する組織が存在しない以上、どのような事態が発生してもおかしくない。
 ビットコインの取引所などを運営する事業者の中には、一時、取引を停止することを検討するところも出てきている。

 こうした不安要因から一時、1BTC(ビットコイン)あたり30万円を突破していたビットコイン価格は下落に転じ、一時は1BTC=27万円程度まで売り込まれた。しばらくの間、不安定な値動きが続く可能性がある。

 こうした騒動は、政府によって集中管理されない通貨ならではの出来事といってよいだろう。こうした不透明要素の存在はリスク要因でもあるが、一方では、政治的な存在に左右されず、通貨制度をより民主的に、そして安価に運営するためのコストと見なすこともできる。

 今回の騒動は、ビットコインが本当の意味で、金融システムの一翼を担うことができるのかの試金石といってよいだろう。

 - 社会, 経済, IT・科学

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