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イエレン議長が1期で退任の可能性が高まる。後任によってはリスク要因にも

 

 米FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長が2018年2月に1期で退任する公算が高まってきた。トランプ大統領との距離が最大の理由だが、トランプ政権の経済政策がうまく進まない中、株高が続いているのはイエレン氏の手腕によるところが大きい。後任の議長にもよるが、トランプ氏は逆にリスクを背負い込んでいる可能性がある。

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 FRB議長の任期は4年となっており、前任のバーナンキ議長やその前のグリーンスパン議長は2期8年を務めている。イエレン氏に与えられたミッションは、バーナンキ氏が実施した量的緩和策からの出口戦略である。

 イエレン氏は、2015年12月のFOMC(連邦公開市場委員会)でゼロ金利解除を決定し、2016年の12月には再利上げを実施した。今年の6月には再び利上げを行い、年内の資産縮小開始を宣言するなど、着々と出口戦略を実行に移している。
 一般的に考えれば、イエレン氏に続投させ、出口戦略にメドがつくまで、舵取りを任せるのが合理的だ。

 しかし、イエレン氏とトランプ政権との間には当初から隙間風が吹いており、その溝は埋まっていない。トランプ氏は金融業界からのロビーイングを受け、オバマ政権時代に強化された銀行に対する規制を緩和しようと試みている。だがイエレン氏は、当面の間、現在の規制を維持することを前提に、金融政策を進めている。

 後任の議長候補には、現在、国家経済会議(NEC)議長を務めるゲーリー・コーン氏の名前が上がっている。ゴールドマンサックス出身のコーン氏は、市場に精通しており、規制緩和を進めるには最適の人物といえる。

 だが金融政策に関してはまったくの未知数であり、コーン氏の就任で出口戦略がどう変化するのか現段階で予想することは難しい。

 トランプ氏は壮大な経済政策を公約に掲げて当選したが、人事などの実務が進まず、公約のほとんどがまだ実現していない。それでも株が下がらないのは、景気の腰を折らないよう、イエレン氏が絶妙な舵取りを行っているからに他ならない。

 このタイミングであえて議長を交代させることは、コーン氏の力量とは別に、リスク要因となる可能性がある。金融政策の方向性が見えるまで、当分の間、市場は神経質な展開にならざるを得ないだろう。

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