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日銀が再度物価目標を先送り。だが足元では別のインフレ・リスクが・・・

 

 日銀は2017年7月20日に開催した金融政策決定会合において、2%の物価目標を再び先送りした。物価目標の先送りは規定路線でありサプライズはないが、足元では、別の意味でインフレ圧力が高まっている。

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 今回の金融政策決定会合では、年間80兆円の国債買い入れペースの継続など、量的緩和策の現状支持を賛成多数で決めた。また2%の物価目標の達成時期について、従来の「18年ごろ」から「19年ごろ」に先送りした。

 総務省が発表した5月の消費者物価指数は、「生鮮食品を除く総合(コア指数)」がプラス0.4%と4月から0.1ポイント上昇したが、2%にはほど遠い状況にある。しかも「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は0.0%と横ばいだ。

 こうした状況が続いていたことから、物価目標の先送りは既定路線となっており、市場に大きな混乱は生じていない。19年に2%を達成できる見込みも限りなく低いことから、2%の物価目標は有名無実化しつつある。

 ただ、量的緩和策の効果とは別の次元において、市場にはインフレの足音が聞こえてきている。それは慢性的な人手不足と働き方改革である。

 日本は人口減少が本格化しており、すでに慢性的な人手不足の状況にある。しかも、働き方改革が本格化してきたことから、大手企業では残業を減らすために業務をアウトソーシングするケースが増えてきている。

 業務そのものを見直さず、アウトソーシングを実施しただけでは、社会全体での業務量は減らず、人手不足はますます深刻になる。最終的には人件費の高騰という形で、コストプッシュ・インフレを誘発する可能性が出てくる。

 また米FRB(連邦準備制度理事会)が出口戦略を本格化させていることや、ECB(欧州中央銀行)も量的緩和策の終了を模索し始めたことで全世界的に長期金利が上昇している。日本もその例外ではなく、長期金利はじわじわと上昇を開始した。

 結果として、日銀が意図しない形で、物価上昇が進むリスクが高まっているのだ。そうなってしまった場合、2%の物価目標は意外と早く達成されるかもしれないが、その時には量的緩和策そのものが意味をなくしているだろう。

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