ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

トヨタとマツダが資本提携。中堅自動車メーカーはすべてトヨタ系列に?

 

 トヨタとマツダが資本提携することになった。相互に約500億円を出資し、共同で新工場の建設を行うほか、EV(電気自動車)の開発でも協業する。トヨタはマツダとの提携によって、出遅れている電気自動車(EV)の分野で巻き返しを図るが、マツダ救済という側面があることも否定できない。

 自動車産業は急速なコモディティ化によって超大手しか生き残れないとも言われている。トヨタはスズキとも出資含みの業務提携を行っているが、弱小メーカーの駆け込み寺的な様相を呈してきた。

toyotamatuda

 現在、世界で最も多くの自動車を販売しているのは独VW(フォルクスワーゲン)で、2016年の販売台数は1031万台だった。これを1017万台のトヨタ、1000万台のGM(ゼネラルモーターズ)、996万台の仏ルノー・日産が追う展開となっている。ちなみに2017年の上半期は、三菱自動車の生産回復でルノーが首位となっている。
 マツダの販売台数は155万台だったので、単純にトヨタの販売台数にプラスすると1172万台となりフォルクスワーゲンを抜く。

 現在の5位の韓国・現代自動車の販売台数は786万台と少し差がある。マツダがトヨタ陣営に入れば、上位4社の寡占化がかなり進むことになる。

 自動車業界が置かれた現状を考えれば、この動きは妥当なものといってよい。業界では、このところ急速に電気自動車(EV)へのシフトが進んでいるが、EVは技術的難易度が低いことから、クルマがコモディディ化することは必至といわれている。

 コモディティとなった商品は価格やサービスで差別化するよりほかなく、ニッチなメーカーが生き残る余地が少なくなる。必然的に寡占化を模索することになるわけだ。

 しかしながら、自動車メーカー各社は巨額の設備負担を抱える「重い」企業であり、シェアを拡大するためにやみくもに買収すればよいというものではない。すでにトヨタはダイハツとスバルを傘下に収めており、スズキとは将来の吸収合併を視野に入れた業務提携を行っている。

 ここでマツダをも救済するということになると、トヨタは日本メーカーの駆け込み寺となってしまう。トヨタ自身がEVシフトを前に、厳しい状況に置かれている中、他社を支える余裕があるのかという疑問が沸いてくる。トヨタにとってはまさに正念場ということになるだろう。

 - 経済 ,

  関連記事

businessman02
平均給与は何と24年前と同水準。日本がひたらすら生産性を下げてきた理由は雇用維持

 アベノミクスで賃上げが期待されているが、足元ではまだまだ賃金減少が続いている。 …

jutaku02
世帯収入が多いほど無理なくマイホームを購入しているという調査結果をどう見るか

 世帯収入が多いほど、無理のない範囲の金額でマイホームを購入している。そんなアン …

chery
中国で大手自動車メーカー同士が初の本格提携。外資依存からの脱却を目指す

 中国の自動車メーカーである奇瑞汽車(安徽省)と広州汽車(広東省)とが提携する。 …

oushukyujitu
行政が長時間労働是正に本腰。日本では欧州のような生活は定着するのか?

 このところ長時間労働を見直す動きが顕著になっている。ファミリーレストラン大手が …

hatarakumama
日本の「働くママ」の環境は最悪とのOECD報告。男女平等論で欠落している視点とは?

 OECD(経済協力開発機構)は17日、子供を持つ女性の給与格差に関する国際的な …

sharp
シャープが公募増資を検討中。金額は1000億円と中途半端でやはり抜本解決にならず

 経営再建中のシャープが2013年春にも公募増資に踏み切る可能性が高くなってきた …

nichigin04
7~9月期GDPのマイナス予想で高まる追加緩和期待。だが日銀のジレンマは大きい

 7~9月期のGDP(国内総生産)がマイナス成長となる可能性がさらに高まってきた …

yukashi03
このタイミングでアブラハム社が行政処分となった背景は何か?

 証券取引等監視委員会が投資助言会社アブラハム・プライベートバンクを行政処分する …

kokusaishushi201305
5月の国際収支。貿易赤字定着も経常収支プラス維持の傾向が鮮明に

 財務省は7月8日、5月の国際収支を発表した。最終的な国の儲けを示す経常収支は5 …

watsonibm
人工知能の本格普及が始まる兆し。これからの時代、知的職業はどう変わるのか?

  米IBMは2014年10月8日、同社の人工知能「ワトソン」を本格普及させるた …