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労働時間を一気に2割削減するという電通の働き方改革は実現可能か?

 

 新入社員の過労自殺事件を受け、労働基準法違反で起訴された電通が、労働環境改善に向けた基本計画を公表した。働き方改革のモデル・ケースとなるのか注目されている。

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  電通の2014年度における1人あたりの年間総労働時間は2252時間だった。日本人の平均的な年間総労働時間は約1700時間なので電通社員の労働時間は長いといってよいだろう。

 もっとも、1700時間というデータは事業者側から得られたものなので、いわゆるサービス残業がカウントされていない可能性が指摘されている。電通の2252時間という数字もどこまで実態を表わしているのかは分からないが、全社的に業務の再確認を行った結果なので、一定の信頼性があるとみてよいだろう。

 公表された基本計画では、2019年度までに総労働時間を2割減らし1800時間にするという目標が提示されている。具体的な削減方法としては、人員の増強、業務プロセスの見直し、自動化やアウトソーシング、IT化の進展などが列挙された。

 このうち、人員の増強とアウトソーシングは直接的なコスト増加要因となるが、業務プロセスの見直しやIT化はコスト削減につながる。IT化の場合は先行投資が必要となるが、ひとたび投資を行えば理論上はその効用がしばらく続くことになる。

 もし電通が本当に総労働時間を2割減らすことに成功した場合、同様のやり方で他の日本企業も労働時間を減らせる可能性が見えてくる。電通は、典型的な日本型業務の会社であり、他への応用が容易と考えられるからだ。

 日本の労働生産性は欧米と比較すると2割から3割低いといわれているが、アウトプットを減らさず労働時間を2割減らすことができれば、欧米水準に一歩近づくことになる。増員やアウトソーシングという項目があるので、実際には1.5割というところかもしれないが、それでも数字上はだいぶ改善する。

 電通が本当に成果を上げることができるのか、また、この成果を他の日本企業に展開することができるのか、電通の試みは働き方改革実現の試金石となりつつある。

 - 社会, 経済 ,

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