ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

4~6月期のGDPは予想外に個人消費が健闘。持続的な拡大局面に入れるのか?

 

 内閣府は2017年8月14日、2017年4~6月期のGDP(国内総生産)速報値を発表した。物価の影響を除いた実質でプラス1.0%(年率換算ではプラス4.0%)と予想外に良好な結果となった。ただ、今後も同様のトレンドが継続するのかについては、来期以降の数字を見なければ何とも言えない。

nihonkeizai02

 今回、GDPの数字に大きく寄与したのは個人消費で、前期比プラス0.9%と3年ぶりの上昇幅となった。新車や家電製品の販売が好調だったことが後押しした。1~3月期はデフレだったことが実質値の上昇に寄与していたが、4~6月期のGDPデフレーターはプラスに転じており、現実の成長を伴っている。
 アベノミクスのスタート以後、低迷する個人消費を政府支出や公共事業が補うという状況が続いてきたが、こうしたスパイラルから脱却できる可能性が見えてきた。

 個人消費が拡大したのは、米国や欧州における好景気がようやく国内にも波及してきたことが主な要因と考えられる。米国は夏に入って景気の勢いに多少の陰りが見られるが、欧州は引き続き拡大局面が続いている。
 日本の製造業は米国市場を主戦場にしているところが多い。好調な北米市場を背景に、生産の拡大や賃上げが進み、労働者の賃金が上昇した可能性が高い。

 もっとも、今回の結果については、少々出来すぎとの声も聞かれる。来期以降も同じペースでの拡大が続くかどうかは現時点ではまだ何とも言えない。

 個人消費がさらに拡大するためには、あらゆる業種に賃上げが波及することが重要だが、最終的に労働者の賃金は企業の生産性に依存してくる。この部分が改善されないと、業績が好調でもなかなか賃上げには結びつかない。

 6月における国内の失業率は2.8%と空前の低さとなっている。もし失業率が今後も2%台で推移した場合、労働需給の逼迫から、いよいよ日本でも賃金が上昇してくる可能性が指摘されている。
 だがこれは、供給制限による賃金上昇であって景気の拡大によるものではない。供給制限が質の悪いインフレをもたらさないうちに、景気が持続的な拡大局面に入ることが望ましい。その意味でも、働き方改革による生産性の向上に期待が寄せられることになる。

 - 経済 ,

  関連記事

tppabe
TPPの影響試算を政府が公表。だが一般均衡モデルを使った試算にはほとんど意味がない

 政府は3月15日、安倍首相によるTPP参加表明を受けて、その経済効果に関する影 …

apple
中国の販売見込みが予想を下回り、好業績だが失望となったアップルの決算

 米アップルは2014年1月27日、2013年10~12月期決算を発表した。四半 …

alibaba
アリババはコスト増加で利益減少。同社の競争環境は厳しくなってきた

 中国の電子商取引最大手アリババ・グループは2015年5月7日、2015年1~3 …

intelbaytrail
売上減に歯止めがかかった米インテル。次はいよいよスマホ市場を攻略?

 半導体世界最大手の米インテルは10月15日、7~9月期の決算を発表した。売上高 …

samsungjp
韓国企業や中国企業への人材流出が加速。だがこれを懸念しても何の解決にもならない

 韓国企業や中国企業に日本人が転職するケースが増えてきており、一部から技術流出な …

amari
甘利経財相が原油安の効果は7兆円との見方。真偽の程は?

 甘利経済財政相は2015年1月9日、原油安が進んでいることに関して「日本経済に …

kijijidousakusei
AP通信が決算記事の作成にロボットを導入。この動きは一般企業にも波及する

 通信社大手のAPは2014年6月30日、同社が提供する決算記事の作成にロボット …

tenanmon
データ改ざんの噂が絶えない中国の貿易統計。実際に数値を検証してみた

 中国の税関当局は5月8日、4月の貿易統計の数値を発表した。それによると、輸出額 …

gekyutoki
GEが家電部門を売却交渉。金融部門の分離に続いて、インフラ事業への集中が加速

 スウェーデンに本社を置く、欧州の家電大手エレクトロラックスは2014年8月14 …

no image
ウォルマートが低所得者向けの新しい金融決済サービスを開始。日本も参考にすべし

 米小売り最大手ウォルマートとクレジットカード大手アメリカン・エキスプレスは、プ …