ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

山尾議員のスキャンダルを有権者はどう受け止めればよいのか?

 

 民進党は2017年9月8日、山尾志桜里元政調会長から提出されていた離党届を受理した。山尾氏は週刊誌が既婚男性との交際について報じたことを受けて離党届を提出していた。
 このところ議員のプライベートな行動が問題視されるケースが増えているが、世論の受け止め方はまだまだ稚拙だ。議員の資質について何を基準にすべきなのか、本質的な議論が必要だろう。

yamao

 こうしたスキャンダルが発生すると、最初に目に付くのが、職務能力とプライベートな活動は切り離して考えるべきだという見解である。企業の経営者などであれば、こうした論理は一定の説得性を持つと考えられる。経営者に求められているのは、経営というスキルであり、私生活における価値観ではないからだ。

 だが議員の場合にはそうはいかない面が多分にある。議員は立法する権限を付与された権力者であり、民法の内容いかんによっては、同性愛を違法にすることも、不倫を刑事罰の対象にすることも不可能ではない(形式的法治主義の色彩が濃く、法の支配が完全ではない日本社会であればなおさらである)。議員には、国民の私生活における基本的な価値観を束縛する力があることを忘れてはならない。

 そうなってくると、各議員が、結婚生活や恋愛、社会規範などに対してどのような考え方を持っているのか、国民は知る権利があり、週刊誌のスキャンダル報道にも一定の合理性が存在するという考え方が成立する。

 また議員は国家の安全保障を託された人材でもあり、専門分野を問わず、危機管理については高い能力が求められる。スキャンダルになりそうな行為を抑制できなかったり、メディアに取り上げられれば確実に批判されるような問題発言を何度も繰り返すような議員に危機管理を任せることはできない。

 一方で、貞操観念など、特定の価値観にそぐわないことをもって一方的に断罪するというのも、民主国家としては好ましい状況とはいえない。そもそも人の世論というのは、あやふやなものであり、状況によって大きく変わる。在職中の世論の雰囲気のみで役職が左右されてしまっては登用の幅を狭めてしまうことにもなりかねない。

 重要なのは国民が知る権利であり、国民が得た情報は最終的に選挙に生かされるというのが正しいプロセスといえる。その意味で、今回の民進党の決断は少々拙速だったかもしれない。

 - 政治

  関連記事

josen
福島の除染作業で不正が発覚。だが本当の問題は別に存在している

 東京電力福島第1原発事故に伴う、被災地域の除染事業において不正が行われているこ …

Kennedy
駐日大使にケネディ元大統領の長女が就任。ただし外交や政治の経験はゼロ

 米国の主要メディアは4月1日、ルース駐日大使の後任として故ケネディ元大統領の長 …

nichibeikokki
米国人の対日世論調査の結果。一般人と有識者で隔たりも

 外務省は2014年11月7日、米国における対日世論調査の結果を発表した。調査は …

abetokku
日本の成長戦略はどう進めるべきなのか?フランスの失敗から学ぶことは多い

 経済活動に対して政府が強く関与するなど日本との共通点が多いフランスの経済政策が …

kaigojikofutan
介護保険改正法案が閣議決定。所得の高い高齢者の自己負担率がさらに増加

 政府は2017年2月7日、介護保険の自己負担率の見直しを盛り込んだ介護保険法改 …

kaiho
ODAを使った新造巡視船のベトナム供与。場合によっては本末転倒にも

 政府は、中国と領有権争いをしているベトナムに対して、ODA(政府開発援助)を使 …

meti03
官製ベンチャーキャピタルの産業革新機構は、まるで公共工事のゼネコン

 産業革新機構は2014年1月8日、日米両国のベンチャー企業育成を手がける株式会 …

mof
2014年度予算編成がスタート。別枠のバラマキ予算があり、最終的には96兆円規模か?

 2014年度予算の概算要求基準が8月8日、閣議了解された。各省は8月末までに概 …

shujutsu
止まらない医療費の膨張が財政を圧迫。これは日本の中間層が抱える問題そのもの

 厚生労働省は11月14日、2011年度の国民医療費の概況を発表した。国民医療費 …

babysitta
ベビーシッターの届け出制を厚労省が検討開始。果たして根本的な解決になるのか?

 厚生労働省は2014年8月4日、ベビーシッターのあり方に関する有識者委員会の初 …