ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

法人向けアマゾンビジネスの最終目標はアスクルではなくモノタロウ?

 

 これまで個人の利用者を主なターゲットとしてきたアマゾンが、いよいよ法人向けのサービスに乗り出した。一見するとオフィス用品のアスクルに対抗したサービスに見えるが、アマゾンの狙いはオフィス用品の分野だけにとどまらない。

dendokogu

 アマゾンジャパンは2017年9月20日、オフィス用品などを法人向けに提供する「アマゾンビジネス」のサービスを日本でもスタートさせた。米国では2年前にサービスが始まり、急速に普及している。

 アマゾンビジネスを利用するためには法人向けの専用アカウントを開設する必要がある。アカウントはチーム単位で管理することも可能で、決済の承認を経てから購入したり、金額に上限を設けることも可能だ。グラフや表を使って購買レポートを作成するといった企業向けの各種機能に加え、企業内の情報システムとの接続にも対応している。

 日本は、法人決済の分野は極端なガラパゴスとなっており、見積書を作成したのち請求書を発行し、銀行振り込みで後払いするという不思議な商習慣が定着している。この独特の商慣行は日本市場における参入障壁のひとつだったが、アマゾンビジネスはこうした商慣行にも対応した。アカウントを開設した法人は、一定の限度額の範囲で請求書ベースでの支払いができる。

 アマゾンビジネスの最大のライバルはアスクルと見られている。だがアマゾンの最終目的はオフィス用品だけではない。アマゾンは億単位の品目数を持ち他のネット通販事業者を圧倒している。こうしたロングテールのメリットを最大限に生かすことができるのは、業務用資材や部品といった分野だろう。もっと具体的に言えばモノタロウである。

 モノタロウは、米国の資材販売大手グレンジャーの子会社で 国内では住友商事と密接な関係にある。モノタロウは国内のプロ向け資材販売の業界に大きな変革をもたらしたが、もしアマゾンの最終目的がこの業界にあるとすれば、外資系企業同士での主役交代となる可能性も出てきたことになる。

 だがアマゾンビジネスの影響はそこだけにとどまらない可能性が高い。モノタロウは住友商事との関係もあり、国内メーカーの製品を主に取り扱っている。だがアマゾンビジネスも同じ方向性になるとは限らない。
 最近では中国企業がアマゾン内で工務店向けの資材などを破格の値段で提供するケースが目立っており、電気設備や工具といった分野でも地殻変動が起きつつある。ここは日本型の業界慣行に守られてきた最後の砦ともいってよい業界である。アマゾンビジネスの本格的なスタートによってこの業界にも変化の波がやってくるのか、業界関係者は注目している。

 - 経済, IT・科学 , ,

  関連記事

boeing777
ボーイングが国内生産を維持する代わりに従業員の待遇を引き下げた背景

 米ボーイングは2014年1月4日、次世代の主力機である「ボーイング777X」の …

orbital
日本の宇宙開発は、中韓との消耗戦を強いられている電機業界と同じ運命を辿る?

 日本では新型固形燃料ロケット「イプシロン」の打ち上げ成功が話題となったばかりだ …

komatsu
コマツの中間決算を見れば分かる、世界経済の動向と今後の課題

 世界景気、特に新興国の投資需要の減衰が顕著になってきている。先進国では米国が堅 …

google2014
グーグル、持ち株会社設立後初の四半期決算。自社株買いなど株主重視に転換?

 米グーグルの持ち株会社であるアルファベットは2015年10月22日、2015年 …

mujinkijiko
米軍における無人機墜落事例は400件。商業利用では自動操縦で問題解決か?

 米国で400機以上の無人機が墜落していることが明らかになった。米国ではすでに無 …

gaikokujin
訪日外国人1000万人時代が到来。だが日本は本当に観光立国を目指しているのか?

 政府観光局は2014年1月17日、2013年の訪日外国人数が1036万人だった …

toyotamatuda
トヨタとマツダが資本提携。中堅自動車メーカーはすべてトヨタ系列に?

 トヨタとマツダが資本提携することになった。相互に約500億円を出資し、共同で新 …

itochu
伊藤忠が取り組む業務朝型化の本質は、フレックス制度の廃止にある

 伊藤忠商事は8月2日、社員の朝型化を目指して、勤務体系の見直しを行うと発表した …

no image
低賃金労働は意外に強い!米国では職の2極分化が急激に進行中。さて日本は?

  NY連銀が米国における30年間の雇用の変化について分析したレポートを発表した …

gnpgni
安倍首相がGNI(国民総所得)増加を表明。なぜ今GNIと騒いでいるのか?

 安倍首相が自らの経済政策であるアベノミクスによって、10年後に国民総所得(GN …