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東証が顧問・相談役制度の情報開示を要請も、この習慣はなくならない?

 

 上場企業のトップ経験者などが、顧問や相談約などの形で会社に残ることについて批判の声が高まっている。東証は上場企業に対して顧問制度等の内容を開示するよう要請しているが、日本の雇用環境を考えると、この制度をなくすことは容易ではない。

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 みずほフィナンシャルグループは2017年10月16日、東証の意向を受け、自社の顧問制度について公表した。現在、同社には7名の名誉顧問が在籍しており、経済団体活動や社会貢献活動などに従事している。報酬はなく、経営には関与しないと同社では説明している(ただし、自社にとって非常に重要な対外活動を担う場合には、2000万円を上限に報酬を支払うことがあるとしている)。

 今後の運用については、常任顧問には社長またはカンパニー長経験者のみが就任できるとしており、任期は66歳まで。社長経験者の場合には、その後、名誉顧問に就任することが可能となっている。

 東芝の経営危機などをきっかけに顧問制度に対する批判が高まっているが、こうした制度が存続している最大の理由は日本型の雇用システムである。

 日本はコーポレートガバナンスという概念が浸透しておらず、企業は株主のものではなく、従業員のものという意識が強い。したがって企業のトップを外部の株主が決めることについて生理的に馴染めない企業が大半である。そうした日本型経営を行っている企業のトップは、ほぼ例外なく従業員からの昇格となる。

 従業員からの昇格では、名目上は経営者であっても、従業員だった時の上限関係を解消することは原理的にできない。結果として、自身より年次や役職が上だった人の影響力が残ることになる。少なくとも、トップを退いた人物が、そのまま影響力を行使したいと考えた場合、システム的にこれを阻止する手段がない。

 東証からの公開要請によって、待遇面などでは低下が進むか可能性がある。だが、ムラ社会的な雇用環境をあらためない限り、年長者が影響力を行使し続けるという悪習がなくなる可能性は低いだろう。

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