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日立が英国鉄道事業で水漏れトラブル。だが、もっと大きな逆風が吹いている?

 

 日立が総力をあげて取り組んできた英国の鉄道事業で、新型車両のお披露目の当日に客室をずぶ濡れにするというトラブルがあった。
 日本政府は鉄道インフラの輸出を国策と位置付けており、日立はその先端を走っているが、世界の鉄道ビジネスを見渡してみると、日本勢にとって大きな逆風が吹き始めている。実はエアコンのトラブルどころの話ではないかもしれない。

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 水漏れを起こしたのは、イギリス南西部にあるブリストル・テンプル・ミーズ発ロンドン行きの電車で、トラブルに見舞われた10月16日は営業運転開始初日ということで、英国の運輸相も乗車していたという。

 技術的な不具合で30分近く遅れて出発したものの、今度は走行中にエアコンが停止。座席の上部から水が漏れ出し、乗客は立ったままの状態で、約40分遅れでロンドンに到着した。

 トラブルは軽微とのことで、今回の件が日立の鉄道ビジネスに大きな影響を与える可能性は低いと考えられる。だがこの話とは別に、鉄道ビジネスの世界では、日本勢にとって大きな逆風が吹いている。それは中国企業の躍進と欧州勢の大合併である。

 2017年9月、独シーメンスと仏アルストムは、両社の鉄道部門を統合すると発表した。世界の鉄道車両市場は、シーメンスがトップでアルストムがそれに続いていたが、中国の国有企業2社が統合され、中国中車という世界最大の鉄道車両メーカーが誕生したことことで状況が一変した。

 今回の統合は表面的には中国中車に対抗するための措置と言われているが、本当の狙いは別にあるとの見方も出ている。それは製造業のデジタル化への対応である。

 シーメンスは米GEと並んで、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)の最先端を行く企業である。近い将来、鉄道車両はすべての部品がネットに接続され、メーカー側はリアルタイムで運転状況を監視できるようになる。メーカーのビジネスが、単純にモノを売るのではなく、メンテナンスなども含めた総合サービスの形態にシフトするのはほぼ間違いない。

 こうした市場環境では、車両製造の付加価値は低下するので、この部分は中国企業に任せてしまうという選択肢があり得ることになる。一方、ソフトウェアやサービスの分野は仕様の統一が重要なので、今のうちから統合を進めておく方がよい。

 日本勢がこうした流れに取り残された場合、付加価値が低くなった車輌製造の分野において、中国勢と価格勝負を余儀なくされる可能性もある。

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