ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

自動車の国内市場に異変。ホンダは主力工場閉鎖、トヨタは販売戦略を見直し

 

 自動車メーカーの国内生産や国内販売に異変が起きている。ホンダは主力工場の閉鎖を決定し、トヨタは販売戦略を根本から見直す。以前から予想されていたことではあったが、人口減少によって国内販売の維持が難しくなっており、各社は対応を迫られている状況だ。

hondasayama

 ホンダは2017年10月4日、2021年度をメドに狭山工場(埼玉県)での生産を近くの寄居工場に集約すると発表した。狭山工場はこれに伴い閉鎖される見通し。狭山工場は、同社の基幹工場のひとつでアコードやステップワゴンといった主力車種の生産を行ってきた。

 一方、トヨタは国内の販売戦略を根本的に見直す。トヨタは「いつかはクラウン」という有名なキャッチフレーズが示しているように、会社での役職が上がるにしたがって上位車種に乗り換えさせるマーケティング戦略を採用。圧倒的な販売実績を作ってきた。
 だが今後は、車種を従来の半分程度となる約30に絞り、売れるクルマに資源を集中させる。また地域ごとの販売戦略を立案する新しい部署を設立するという。

 一連の施策はすべて国内自動車市場の縮小に対応したものである。2016年の日本国内の自動車販売台数は約497万台だが、2年前との比較でも10%の落ち込みとなっている。日本は人口減少が続くので国内市場はさらに縮小する可能性が高い。

 ホンダはもともと海外生産比率が高いが、それでも2016年度は81万台を国内で製造している。しかし、同社の国内販売台数は71万台となっており、各工場の稼働率は7割程度まで落ち込んでいる。これ以上、生産能力を余らせておくことは難しいだろう。

 トヨタは自動車メーカーとしては珍しく生産台数の半分近くを国内工場で製造している。だが全世界的に製造業の地産地消化が進む中、国内生産を維持するためには、一定水準以上の国内販売維持が必須となる。同社の新しい販売戦略がどのような成果を上げるのかはまだ分からないが、人口動態を考えると厳しい展開となるのは間違いない。

 自動車産業は全世界にEV(電気自動車)シフトが発生しており、クルマの価格が急落するリスクが出てきた。低価格な車種の場合、国内生産の維持はますます困難となる。特に国内生産比率の高いトヨタにとっては難しい選択となるだろう。

 - 経済 , ,

  関連記事

towerbridge
英中央銀行がフォワードガイダンスを見直し。これってどういう意味?

 英国の中央銀行であるイングランド銀行は2014年2月12日、金融政策の見通しを …

itotaka
日本は再び財政出動路線に転換?著名学者が「構造改革」というキーワードに躊躇

 中国・上海で開催されていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は2 …

piketishasin
日本の所得上位1%が年収1300万円という識者の指摘は本当か?

 ピケティ・ブームが続く中、日本の所得上位1%は1300万円からという数字がネッ …

kosakukiki
1月の機械受注は反動で大幅増。全体にブレが大きくなりトレンドが不明確に

 内閣府は2014年3月13日、1月の機械受注統計を発表した。主要指標である 「 …

boeing777x
東レが現地工場を建設しボーイングに炭素繊維を長期供給。製造業のモデルケースに

 東レは2014年11月17日、米ボーイング社から航空機向け炭素繊維複合材を長期 …

oecdguria
政府の意向を代弁したOECD事務局長。だが主張する内容は極めて客観的

 政府がOECD(経済協力開発機構)を活用した政策のアナウンスに乗りだしている。 …

euhonbu00
欧州が緊縮策から方向転換?世界はリーマンショック以前に逆戻り

 これまで緊縮財政一辺倒だった欧州委員会(EU)が方向転換を図っている。スペイン …

yen
安倍首相が外債購入ファンドの具体的検討を指示。もたらすのは円安かインフレか?

 安倍首相は麻生太郎副総理兼財務相に対して、「必要に応じた為替介入」や「新たな官 …

bukkajoushou
8月の消費者物価指数。コアはマイナス、コアコアはプラスとちぐはぐな状況に

 総務省は2015年9月25日、8月の消費者物価指数を発表した。代表的な指標であ …

ichimanen
来年度の国債の発行総額は180兆円を突破。国債管理政策は正念場へ

 財務省は2013年12月24日、2014年度の国債発行計画を発表した。国債発行 …