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中国が南シナ海での資源開発をあらためて強調。中国が譲歩できないその背景

 

 中国政府は、フィリピンなどとの領有権問題が発生している南シナ海領域について、中国における海上ガス開発の主要な柱とすることをあらためて強調した。

 中国国家エネルギー局は3日、天然ガス開発に関する5ヵ年計画を発表し、その中で、南シナ海を中国の海上ガス開発計画の「主要な柱にする」と位置付けた。共産圏である中国にとって5ヵ年計画は極めて重要な意味を持つ。今回の発表によって中国は、南シナ海の天然資源についてまったく譲歩する気がないことをあらためて強調した格好だ。

 また同局は、海上における天然ガス生産量の見通しも示した。この中で海上におけるガス生産量は2015年までに200億立方メートルに達し、そのうち南シナ海での生産は4分の3を占めるという。

 領有権問題を悪化させてまで南シナ海の天然資源開発を推進する背景には、エネルギー不足に悩む中国の現実がある。中国は米国を抜き世界最大のエネルギー消費国になっており、石油や石炭は輸入に頼っている。
 さらに米国においてシェールガス開発が急速に進行し、石油の完全自給が可能となる見込みが立ってきたことで、中国はさらに警戒感を強めている。全世界的な石油の安定確保について米国が関心を示さなくなると、もっとも大きな影響を受けるのは中国と日本である。日本と同様、中国にも米国の中東政策にタダ乗りしている部分があったのだが、米国の自給体制の確立によってそれが根底から覆る可能性が出てきているのだ。能天気な日本ではあまり話題になっていないようだが、安全保障に敏感な中国当局にとっては極めて重大な事態とえいる。

 中国には豊富なシェールガスが埋蔵されているといわれるが、そのほとんどが乾燥地帯に位置しており、シェールガスの採掘に必要な大量の水を調達できない。このためコストが高く採算が合わないとされている。南シナ海の天然資源は「エネルギー消費国」である中国にとって、まさに生命線なのである。したがって、この部分で中国が譲歩する可能性は極めて低いだろう。

 - 政治, 経済

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