ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

シャープに米クアルコムが出資。だが実態は話題作りだけを目的にした技術の安売り

 

 経営再建中のシャープが、米国の半導体メーカー「クアルコム」から最大100億円の出資を受け入れる方向でほぼ合意したことが明らかとなった。シャープは今回の資本提携に合わせて、クアルコムに対し新型液晶パネルの技術を供与する。次世代の液晶パネル製品を共同開発することで、液晶事業を強化したい考えだ。

 シャープはテレビや液晶など主力事業の不振で今年度には4500億円の赤字を計上する見込み。台湾の大手電子機器メーカーである鴻海から出資を受け、経営再建を行うことでほぼ合意していたが、株価などで折り合いがつかず出資はまだ行われていない。シャープが銀行団からの本格的な支援を取り付けるためには、他社との本格的な提携が必須の状況となっている。

 今回のクアルコムとの資本提携はその一貫ということだが、業界関係者の反応は一様に冷ややかだ。「クアルコムと提携してもシャープの状況は本質的に何も変わらない」(半導体アナリスト)というのがその理由である。クアルコムは携帯電話用半導体の大手であり、シャープにとって顧客企業ではない。しかも液晶パネル分野においては競合ですらある。シャープはクアルコムに対して最新技術を供与する代わりに出資を受け入れるわけであり、液晶技術を最大100億円で切り売りしたにすぎない。
 シャープはこのところ、インテルなど米国の半導体大手に対して次々に出資を打診している(しかも資本提携について社内で主導権を握っているのは、なぜか奥田社長ではなく、引責辞任したはずの片山会長)。だが米国の半導体企業の多くがシャープとは直接的な利害関係を持っておらず、出資するメリットはほとんどない。とにかくビックネームから出資を受けたという話題作りのためだけに出資を打診しているようにしか見えない状況だ。

 シャープ側としては、リストラを含めシビアな要求を突きつけてくる鴻海との資本提携は何としても避けたいというのがホンネとみられる。だが現在のところシャープの経営危機を抜本的に打開してくれる可能性があるのは鴻海しかいない。米半導体各社との資本提携という「お化粧」をしたところで、スッピンの顔は元のままだ。刻一刻とXデーは近づいている。

 - 経済

  関連記事

super02
家計の消費支出は3カ月連続でマイナス。安倍政権は10%増税をどう判断するのか?

 総務省は2014年7月29日、6月の家計調査を発表した。2人以上の世帯の消費支 …

merukeru03
最低賃金の導入に揺れるドイツ。最低賃金制度は経済成長の阻害要因なのか?

 最低賃金の導入をめぐってドイツが揺れている。ドイツは一部の職種を除いて最低賃金 …

tokyowan
企業の設備投資予定額が大幅増。だが公共事業の影響も大きく継続性があるかは不明

 日本政策投資銀行は8月5日、2013年度の設備投資計画に関する調査結果を発表し …

one drive
マイクロソフトがクラウド・サービスの水準を大幅にダウン。タダで使えるという時代は終了?

 マイクロソフトが自社のクラウド・サービスの一部について、サービス内容を大幅に変 …

pepper
ソフトバンクがロボットを他社に先んじて製品化した本当の狙い

 ソフトバンクモバイルは2014年6月、人と対話することができるロボット「Pep …

tissue
円安で値上げが続々。だが実際にはデフレ下でも値上げは進んでいた

 急激に進んだ円安を背景に、製品やサービスの値上げが相次いでいる。製紙大手各社が …

newyork02
米国で良好な経済指標が相次ぐ。再び早期の出口戦略論が台頭か?

 米供給管理協会(ISM)が8月1日に発表した7月の製造業景気指数は前月の50. …

no image
シャープは本来ならアップルの強烈なライバル・メーカーになるはずだった!

 シャープは、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と共同で、新型液晶「IGZO」を搭載 …

Warren Buffett
バフェット氏の最新の保有銘柄状況が明らかに。金利上昇と景気拡大にシフト

 米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が、IBMやGM(ゼネラル・モー …

sandberg201401
政界進出?フェイスブック株大量売却をめぐってサンドバーグCOOの去就に注目が

 SNS大手フェイスブックCOO(最高執行責任者)で、女性の社会進出を唱える活動 …