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ルンバの開発者が画期的な単純労働ロボットを開発。日本の製造業は壊滅の危機?

 

 お掃除ロボット「ルンバ」を開発した米国のロボット技術者ロドニー・ブルックス氏が新たに開発した人型ロボット「バクスター」が大きな話題になっている。

 バクスターは、単純作業のみを行う人型ロボット。重量が75キロと軽く、価格はなんと2万2000ドル(約180万円)という驚きの安さだ。作業をロボットに覚えさせるためのプログラミングは不要で、一度人間が一緒に動かしてやれば、その通りの動きを再現してくれる。
 高速で複雑な動作は想定しておらず、簡単な単純作業を実施させることを念頭に開発が行われた。想定されるユーザーはズバリ中小企業。海外の安い労働力に仕事を奪われている中小企業でも、これだけ安価なロボットであれば、コスト的に対抗できるようになると見込んでいる。

 バクスターが注目されている理由はそれだけではない。バクスターを開発しているメーカーのリシンク・ロボティクス社が、その機能や外部とのインタフェースを積極的に公開するオープンな姿勢を示しているからだ。
 同社は、来年にもバクスターの開発ツールの提供を開始する予定。うまくいけば、リナックスのように世界の開発者が開発に参加し、思ってもみなかったような画期的な機能が次々に開発されていくかもしれない。

 バクスターの登場は製造業の世界に革命をもたらすと期待されている。だが日本にとってはあまりいい話ではないかもしれない。リシンク社とブルック氏はバクスターの成功を確信しているというが、意味もなく楽観的になっているわけではない。実は米国やドイツでは、すでに中小零細企業へのロボット導入がかなり進んでいるのだ。
 日本では産業用ロボットといういと、一台数億円という高価なもので、自動車メーカーなどの巨大産業が導入するものというイメージが強い。だが、米国やドイツでは、中小零細企業であっても、製品の向きを揃えたり、梱包したりという単純作業にロボットを投入しているケースが少なくない。このようなロボット導入の土壌があるところに、オープンで安価なロボットが登場すれば一気に普及する可能性が高いのだ。
 一方、日本の中小零細企業においてロボットを導入しているところは極めて少ない。さらに単純作業への導入となるとほとんど皆無と思われる。日本の中小企業は今に至ってもITの導入すら進んでいないところも多く、ましてや労働者の雇用を奪うロボットの導入には相当な抵抗を示すと考えられる。

 日本が導入を躊躇しているうちに、先進国や途上国までもが安価なロボットを導入してしまったら、日本の製造業は目も当てられなくなる。
 日本はロボット先進国といわれている。少なくとも今まではそうであった。だが結局今回も、仕組み作りのうまい海外メーカーにすべてを取られてしまうという、いつものパターンに終わってしまうのだろうか?

 - 社会, 経済, IT・科学

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