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10年の1度の財務省大物次官である勝栄二郎氏がネット企業に再就職?

 

 財務省の勝栄二郎前事務次官がインターネット・プロバイダー大手の「インターネットイニシアティブ(IIJ)」に天下ったことが明らかとなった。11月19日付けで特別顧問に就任した。同社の鈴木幸一社長とは以前から親交があったという。

 勝氏は10年の1度の「大物次官」といわれた人物。消費税増税という財務省にとっては悲願の偉業を成し遂げた「功労者」である。政界への影響力も大きく、野田首相が財務省のいいなりだったことから、陰では「野田首相の上司」「影の首相」とまでいわれていた。
 そのような大物次官がIT企業に再就職するのは異例中の異例。そのままIIJに在籍し続けるとは考えにくく、本命の天下り先に転職するまでのバッファと思われる。

 かつて大蔵次官OBといえば、日銀総裁や東証理事長などトップのイスが当たり前のように用意されていた。だが最近は官僚の天下りに対する批判が高まっていることから、次官級の人材でも思うように次のポストが用意できないケースも多い。勝氏と同様、財務事務次官だった丹呉泰健氏は読売新聞グループ本社監査役、杉本和行氏はみずほ総研理事長という、以前では考えられないようなポストに甘んじている。
 10年の一度の大物次官とはいえ、歴代OBで現在のポストに不満を持っている人は多く、勝氏に対してすぐに大きなポストが用意されるかは未知数だ。

 一方、IIJの鈴木社長は能率協会のコンサルタント出身。インターネット・ビジネスの草分けともいえるIIJの社長を1994年からつとめており、日本のインターネット黎明期を支えた人物として有名。

一時は米国NASDAQに上場するなど飛ぶ鳥を落とす勢いで、日本の通信政策に対するご意見番的存在だった時期もある。だが最近では、インターネットが当たり前の時代となり、鈴木氏やIIJの存在はあまり目立たなくなっていた。
 鈴木氏は豪放磊落な性格で知られているが、IT業界には珍しい教養人としての側面も持ち合わせている。業界を超えた人的ネットワークがあり、勝氏を含め、官界に豊富な人脈があるのは不思議ではない。

 もっともIIJの顧客リストには、霞ヶ関の中央官庁がズラッと並んでいる。IIJの売り上げ規模はわずか1000億円であり、勝氏がIIJのために口利きをするとは思えないが、直接取引のある企業への天下りはあまり見栄えのよい光景ではない。また勝氏の招聘が、鈴木社長の個人的な名誉を満たすためであるとするなら、鈴木氏のこれまでの功績を考えると、かえって晩節を汚しているようにも見える。
 同社では勝氏招聘の理由として「多方面から意見を聞かせてもらえる人を求めていた」としている。

 - 政治, 経済, IT・科学

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