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世界の汚職調査ランキングが話題に。でもどうやって調べているのか?

 

 ドイツを本拠地する非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナルは5日、2012年の「汚職指数」を発表した。同指数は公共部門における汚職レベルを数値化、各国をランキングしたもの。1位(汚職が少ない)となったのはデンマーク、フィンランドで北欧諸国が上位にランキングされている。反対に最下位となったのは、北朝鮮、アフガニスタン、ソマリアの3国であった。日本は英国とならんで17位であった。

 同組織では、汚職レベルを1から100まで数値化し、汚職レベルを比較している。
 調査方法は各国の経営者などに電話や対面によるインタビューを行い、過酷の汚職度を評価するというもの。だが世界各国の経営者に対してこのような調査をするなど、大変が手間がかかるはずであり、すべての国を評価可能なのだろうか?という疑問も生じる。
 実は、同指数の算定にはこういった独自調査に加えて、国際機関などが行った他の12の調査結果も反映させている。一定のルールで各機関が行った調査結果を数値化、すべての結果を総合的に判定したものを最終的な指数としている。

 結果は一般的な印象をよく反映したものになっており、1位のデンマーク、フィンランドに加え、スウェーデン(3位)、ノルウェー(7位)、オランダ(9位)など欧州北部のゲルマン圏諸国、およびニュージーランド(同率1位)、オーストラリア(7位)、カナダ(9位)といった英連邦諸国でベスト10はほぼ独占されている。
 大国の中でのトップはドイツで13位。日本は英国や米国と並んでいて、先進国の中では平均的。フランスやスペイン、韓国などと比べるとはるかに上位に位置している。

 ただし、この調査はあくまで公務員の賄賂などに関するものであって、必ずも民主的な国家かという点は考慮に入れられていない。アジア圏で唯一ベスト10に入ったシンガポールは、公務員の腐敗は極めて少ないが、完全な独裁国家であり、合法的な公務員の特権待遇はすさまじいものがある。また中国は80位とかなり低いが、それでも133位のロシアと比べればかなり上位といえる。だが中国がロシアよりも特に民主的というわけではない。

 公務員の腐敗は、制度的な影響も大きいかもしれないが、国の豊かさと公務員の地位を反映しているともいえる。シンガポールは1人あたりのGDPが日本よりも高く豊かである。だが同国は民主国家ではないため公務員の地位は極めて高い。シンガポールの公務員はつまららない賄賂をもらう必要がないのだ。
 一方米国は、経済的には世界一だが、完全な民主国家であり公務員の地位が相対的に低い。年収も低く、末端の公務員で賄賂を要求する人は一定数存在する。思ったほどランク上がらないのはそのあたりに理由があると思われる。日本が比較的上位に入っているのは、民主化レベルが低く、公務員の相対的な地位が高いことが影響している可能性が高い。

 - 社会, 経済

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